第25話

 Fランクの冒険者になって初めて、オレは魔の森に入った。

 Fランクの冒険者になった時と、Gランクの冒険者の時では特に気持ちは変わってはいない。

 日銭のために冒険者としてクエストをこなさないといけないということは、同じままだ。

 とはいえ、Fランクの冒険者になると、Gランクの冒険者よりも稼ぎがいい。

 Gランクの冒険者ではできなかったことをやろう。

 それはやはりうまい飯を食うこと、うまい酒を飲むことである。

 エリクサーを買う、という夢もあるが、その夢はFランクの冒険者ごときでは届かない夢だ。

 魔王なんかを倒すのはSランクの冒険者に任せておけばいい。

 聖剣を手に入れるなんてのも、Sランクの冒険者に任せておけばいい。

 Fランクの冒険者がやることといえば、やはり日々の冒険を楽しみ、そしてうまい飯を楽しみ、うまい酒を楽しむ、これくらいのことではないだろうか。

 というわけで、日々の生活を楽しむために、今日もモンスター討伐である。

 モンスターのほうもオレを倒す気満々で、いつの間にかオレはモンスターに取り囲まれていた。


ゴブリンLV8


ゴブリンLV9


ゴブリンLV10


 どんなに高レベルのゴブリンにあったとしても、焦ってはいけない。 

 敵はこちらの焦りがわかるようだし、こちらの焦りに付けこもうとしているのは敵の動きを見ていればわかる。

 だからどんなに強いモンスターと遭遇しても、冷静に対処しなければならない。

「はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ」

 オレは掛け声を上げながら、ゴブリンLV8の顔面をぶん殴った。

 よし。

 ゴブリンLV8を倒した手ごたえを感じた。

 周りにいるゴブリンLV9と、ゴブリンLV10がオレの周りからこちらに向かって棍棒を振り下ろしてくる。

 オレは身体強化を使って、自分の身体の防御力をアップした。

 それでゴブリンLV9、ゴブリンLV10の攻撃を受け止める。

 両腕を使って、受け止める。

 大丈夫だ。

 痛くない。

 このくらいの攻撃なら、何とか受け止めることはできる。

「おりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

「はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 という掛け声とともに、ゴブリンLV9、そしてゴブリンLV10に向かって攻撃を仕掛けた。

 よし。

 ゴブリンLV9、そしてゴブリンLV10を倒した手ごたえがあった。

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