第4話 美少女怪盗フィリア参上(4)

「対人ミサイルを初めて避けてここまで来れたのはお前が初めてだ。それだけは褒めてやろう── だが、お前には死んでもらう!」

 ロヌスカは、そう言いながらフィリアに飛びかかり、右足を伸ばした。どうやら、ドロップキックしようとしているようだ。

 ロヌスカの足が当たる寸前に、フィリアはステッキで彼のの足を止めた。

「やるな。だが、こっちには拳銃がある」

 そう言うと、ロヌスカは拳銃を取り出しフィリアに発砲した。

 フィリアは素早く自分に髪を結んでいた黒いリボンを解いた。そのリボンを自分の前に伸ばした。

 するとリボンは同色の正方形の大きい布に変化した。それを自分の目の前に広げた。

「ハハハ… 布如きで何ができる」

 ロヌスカは構わず、布に向かって銃を発砲する。

 だが、布には穴は空いておらず傷すら無かった。

「なに?」

 すると布がロヌスカの元に飛ん来て、彼に被さった。

「クソ!」

 フィリアは通りすがりにロヌスカに言った。

「フフフ── 頑張って」

 すると、彼女は窓を突き破り建物の外に出た。

「奴を逃すな!」

 ロヌスカは近くにいた手下に指示をする。

「ロヌスカ・パロバチョフ!」

 古畑がロヌスカを取り押さえる。

「貴様には38の国や地域から93の逮捕状が出ている」

 古畑がそう言うと、ロヌスカは言った。

「お前、インターポールか!」

「ああ、そうだ!」

 その頃、フィリアは手下の攻撃を難なく躱し敷地外に出て行った。


 とある病院。真夜中の病棟の廊下をフィリアは歩いていた。大部屋の病室に入り、1番奥の左のベッドに行った。

 カーテンを開けると、ベッドの上で昼間の女の子が寝ていた。

 フィリアは女の子の枕元に、白く輝くマリーナ・クリスタルを置いた。クリスタルはいつも以上に光っていた。

「綺麗──」

 フィリアはそう思いながら、クリスタルを見つめる。

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美少女怪盗フィリア @nishiyoshi

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