第3話 美少女怪盗フィリア参上(3)
予告状
今夜、華麗に優雅に鮮やかに貴方に奪われたマリーナ・クリスタルのように奇麗な笑顔、取り戻しに参ります。
怪盗フィリア
住宅街の古い洋館がある。そこはロシア人スパイのアジトだった。
「こ── これは── パロバチョフ大佐!」
部下が驚いていた。
「ふざけた予告状だ」
女の子から水晶を奪ったパロバチョフは、フィリアからの予告状を読んでいた。
「面白い── あの小娘に何が出来るのか見せてもらおうか」
パロバチョフはそう言うと、部下に指示した。
「おい、警察を呼べ」
「し── しかし、我々がスパイとバレたら──」
「なに、心配などない。日本にはスパイ防止法という物がない。フェイスマスクで変装はするが、気付かれて捕まっても入国管理法違反でロシアに強制送還されるだけだ」
数十分後、警察が到着した。その時はすでに夜だった。
「インターポールの古畑です。フィリアからの予告状が届いたと聞き、参りました」
古畑がそう言うと、変装したパロバチョフが言った。
「早速だが予告状を見てくれ」
パロバチョフはフィリアからの予告状を古畑に見せた。
「このマリーナ・クリスタとは、どのような代物ですか?」
古畑がパロバチョフに聞いた。
そう聞かれたパロバチョフはポケットの中からマリーナ・クリスタルを取り出し古畑に見せた。
「このマリーナ・クリスタルは1910年代まで実在したマリーナ王国が所有していた世界で唯一の水晶だ」
すると、突如電気が消えた。
「なんだ?」
パロバチョフは戸惑う。
「貴方方が奪っていった笑顔の輝き! 取り戻させていただきますわ!」
暗闇の中、フィリアの声が聞こえた。
すると、急に電気が付いた。古畑とパロバチョフの前にはマリーナ・クリスタルを持ったフィリアが居た。
「出おったな、フィリア!」
古畑はフィリアに拳銃を向ける。
「おじさま。私を逮捕する前にそこのスパイを逮捕した方が良いんじゃないかしら?」
フィリアはパロバチョフを指さしてそう言った。
「何?」
古畑はパロバチョフの居る方向を向く。
パロバチョフは笑いながら、変装の為のフェイスマスクを脱ぎ捨てた。
「ハハハ── よく分かったな」
「貴様はロヌスカ・パロバチョフ! インターポールの古畑だ! 貴様を逮捕する!」
古畑はパロバチョフに手錠を掛けようとした。
「私を逮捕しようと言うのかね? では、お前達には死んでもらおう」
そう言うとパロバチョフは勢いよくフィリアを目掛けて飛び上がった。
「対人ミサイルを初めて避けてここまで来れたのはお前が初めてだ。それだけは褒めてやろう── だが、お前には死んでもらう!」
─次回予告─
ロシア人スパイ、パロバチョフは遂に本性を現したわ。世界屈指の軍事大国のスパイだか何だか知らないけど、私だって負けないわよ!
だって、私は人々の笑顔を取り戻す美少女怪盗フィリアだもの──
さぁ、1対1の勝負よ! ロヌスカ・パロバチョフ!
次回『美少女怪盗フィリア参上(4)』
次はあなたの笑顔を取り戻してあげる!
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