第2話 美少女怪盗フィリア参上(2)
「ん── ここは── どこ──」
女の子は、窓から入ってくる日差しを浴びて目を覚ます。
「目が覚めたみたいね」
彼女の側にフィリアは居た。
「ねえ、この水晶は何なの?」
フィリアは、女の子が持っていた水晶を出してそう聞いた。
「それは── って何で持ってるの!?」
女の子は自分の服のポケットを確認する。そこで彼女は初めて水晶がポケットの外に出ていたのに気づいた。
「返してよ!」
女の子は飛び上がり、水晶をフィリアの手から取り返そうとした。だが、フィリアは水晶を高く持ち上げて言った。
「だったらこの水晶は一体何なのか? あなたは誰なのか? それを教えたら返してあげるわよ」
すると、女の子は黙り込んだ。
「実は── その水晶を取ろうとしてるロシアのスパイに追われてるの。この水晶があれば軍事力でアメリカを追い抜いて、世界一の軍事大国として君臨するとか言ってた──」
「水晶って、これ?」
彼女は、女の子が持っていたダイヤモンド型の水晶を指差した。
「うん──」
すると1人の男が拳銃を持って家に入って来た。
その男は7:3分の髪で、黒いスーツを着ていた。
「やっと見つけたぞ!」
男が女の子にそう言う。
「ちょっと何勝手に入って来てるの! ここ人の家よ!」
フィリアが男にそう怒鳴る。
「パロバチョフ…」
女の子は男に怯えていた。
すると、男は煙の出るボールを床に落とし、周辺を煙まみれにした。
「ちょっと!?」
フィリアが戸惑う中、1発の銃声と女の子の悲鳴が聞こえた。
「大丈夫!?」
フィリアは煙の中を手探りで、女の子を探した。
フィリアが女の子を見つけると、女の子に銃弾が被弾していた。
「水晶── 取られちゃった──」
その後、煙が晴れたと同時にフィリアが消防に通報し女の子は救急搬送された。
警視庁──
「ロシアの諜報員でありますか?」
古畑が言った。古畑の前には警視庁刑事部国際犯罪捜査課の課長が座っていた。
「ああ、インターポールから君にそう言う指令が来ていた。名前はロヌスカ・パロバチョフ。各国から指名手配されていて、ロシアの諜報機関であるのKGBの諜報員だ。そして、そいつが日本入りしたと言う情報が入っている。怪盗フィリアの捜査と並行してパロバチョフの逮捕もしろとの事だ」
「承知しました課長殿」
古畑あそう言うと、課長が言った。
「それと君に今日から部下が付くことになった」
「部下でありますか?」
古畑は課長にそう聞いた。
「ああ── おい、青嶋は居るか?」
課長が部屋中に届く声で言った。すると、1人の女が返事をした。
「はい。何ですか、課長?」
その女は課長のデスクに駆け寄った。
「今日から古畑君の部下に就く青嶋裕子巡査長だ」
課長がそう言うと、裕子は元気よく自己紹介をした。
「今日付けで国際犯罪捜査課に赴任した青嶋裕子です。宜しくお願いします!」
「ああ、宜しくな」
古畑はそれだけ言った。
─次回予告─
フィリアよ。スパイのアジトに乗り込んだは良いけど、そこの警備がもうスッゴイのよ!対人間追尾ミサイルなんて物まであるのよ。何と恐ろしい── しかも、古畑のおじさままで参戦するし
でも、私はその辺の泥棒とは訳が違うのよね──
次回『美少女怪盗フィリア参上(3)』
次はあなたの笑顔を取り戻してあげる!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます