第6話
私の口の声が勝手に続ける。
「それでは、皆さん。私が考えた、すばらしい女子用立小便器をご紹介しましょう」
言ってから、私の顔が見る見る真っ赤になった。
キャー・・・私が考えた女子用立小便器ですって? 何なの、それは? てか、私って、みんなの前でまだ恥ずかしいことをする気なの?
そんな私の思いとは別に、私はしゃべり続けた。
「従来の女子用立小便器の問題は・・その排泄姿と排泄音が恥ずかしいところにあるのです・・」
そう言いながら・・私は教壇から降りて・・教室の後ろに歩いて行った。もちろん、私の口と身体が勝手にやっているのだ。
教室の後には扇風機が置いてある。コロナ 禍以降、教室の中の空気の循環が大切だということで・・必要な時は扇風機で空気を循環させることができるように、扇風機が1台ずつ各教室に配られたのだ。
私たちの教室では扇風機は稼働させておらず、電源をコンセントから抜いた状態で、教室の後ろの隅に置いてあった。
私は教室の後ろに行くと、扇風機をつかんだ。クラスメートたちはみんな、自分の席から首を後ろに向けて、何が始まるのかと私を見ている・・
私の声が教室に響いた。私の意志とは別に・・
「まず、姿勢ですが・・さっき私がしたように・・従来の女子用立小便器では、スカートをめくり上げて、お尻を突き出さないといけません。すると・・多くの女性は、そのお尻を突き出す格好に羞恥を感じるのです」
そう言いながら・・私は扇風機を持って、再び教壇に向かった。その途中、私は自分の机の横を通って・・みんなに分からないように、家から持ってきた水筒をつかんで・・そっとスカートのポケットに差し入れた。水筒の中には緑茶が入れてある。
私の頭に
えっ? 水筒? 私は何をする気なの?
私の声は続く。もちろん、私の意志とは別なのだ。
「次に排泄時の音ですが・・女子トイレに擬音装置が設置されているように・・今は擬音装置で対処するのが一般的です。しかし、擬音装置を働かせると・・いかにも今、私は立ってオシッコをしていますと周囲に知らせることになるので・・女性は恥ずかしくて、擬音装置を使うことができなかったのです」
クラスのみんなが私を注視している。
私は教壇に戻ると・・教壇のすぐ横の床の上に扇風機を上向きに寝かせて・・電源コードを伸ばして・・壁際のコンセントに差し込んだ。
そうして・・私はスカートのまま・・立って扇風機のファンの上にまたがった! 私の足が大きく広がって・・扇風機のファンの部分を挟んでいる。
キャー。何よ、この格好・・
私の口が勝手に説明を続ける・・
「では、私の考えた・・お尻を突き出さず、かつ音も出さずに放尿ができる・・女子用立小便器の原理をご説明しまぁす」
そう言うと、私は扇風機のリモコンをつかむと、風量を最強にして・・スイッチを入れたのだ。もちろん、身体が勝手に・・
私の制服のスカートの下から猛烈な風が起こって・・花が開くように、私のスカートが大きく開いた。再び、私の履いている赤い『絶対に履いてはならないパンティ』が露わになった。
教室の中から、「オ~」というどよめきが上がる。
私の顔が真っ赤になった。
キャー、やめてぇ・・恥ずかしぃぃぃ・・
すると、再び私の口から勝手に声が出た。
「この姿勢で、オシッコをすると、お尻を突き出す必要はありません。・・そして、下から強い風が吹き上げているので、出したオシッコは風に乗って・・水滴として周囲に飛散してしまいます。従って、オシッコの音もしないのです」
クラスメートたちの「オ~」という声が大きくなった。教師の
私はみんなに分からないように・・スカートのポケットから、緑茶の入った水筒を取り出した。
えっ・・?
「では、実際に、私がここで、オシッコをしてみましょう・・」
えっ、えっ・・! オシッコですって! 私は何をする気なの!・・
すると・・私の手が勝手に動いて・・みんなから見えないように、水筒の緑茶を扇風機のファンの上に垂らしたのだ!
黄色い水が一本の線になって扇風機のファンの上に落ちていった。・・それは扇風機のファンにぶつかって・・たちまち、無数の小さな水滴に分かれた。その水滴は・・風に乗って教室の天井に巻き上がっていった。
そして、教師の
教室の中に悲鳴が沸き上がった。
「キャー」
「ウワー」
クラスメートたちは全員が席から立って・・教室の中を右往左往し始めた! 野際は呆然と口を開けて・・水滴を見上げていたが・・その口の中に、何滴も水のしずくが落ちていった。
教室の中は大混乱になっちゃった!
私の顔はもう真っ赤!
キャー、もう、お嫁に行けないわ・・
そのとき、私の眼に、美優と結奈が・・「杏ぅぅ」って叫びながら、私に向かって走ってくるのが見えた。
(次回に続く)
絶対に履いてはならないパンティ 永嶋良一 @azuki-takuan
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