【ショート】やっぱり、という快感

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自分の思い通りになる快感は何よりも勝ると思う。僕はたまに、それまでの記憶が曖昧なまま、ある世界に連れてこられる。その世界は普段の世界と殆ど同じで、ただ一つだけ違う点がある。それは、何もかもが自分の思った通りになるということだ。雨が降ると思えば雨は降るし、そこの街角を曲がれば人が三人いると思えば実際に三人いる。僕はその時、快感を憶える。やっぱり、と思うからだ。だけど、どんな楽しみにも終わりは来る。世界の終わりはフワフワとやってきて、視界が曖昧になる。倒れて落ちるようで、水面から顔を出すような世界の終わり。僕はその世界での記憶を無くす。

「ふぁぁ…　今日も良い朝」