少年真夜中肝試し探検隊~町で起きた悲劇と彼女の日記と真相~
黒金 影輝
少年真夜中肝試し探検隊~町で起きた悲劇と彼女の日記と真相~
僕は、心霊現象が起きると言ういわく付きの、町の入り口の前にいた。
そこは、まるでよそ者を拒んでいるかのような、キープアウトと書いてあるテープや、三角コーン立ち入り禁止の看板などがつらなって置かれている。
このバリケードの性で、余計に雰囲気が出てきて怖さが倍増し、足がすくみ体の震えが止まらない。
元々、提案したのは同じクラスの同級生の女子、
何故か、ガキ大将のいつも威張っててワガママな
いつも偉そうに、仕切ってきたりいちいち厄介事に口を出して、周りに迷惑かけまくり何かとうるさい、霊花以外の女子で探検グループに入ってきた、
本当は、霊花も僕と二人で行きたかったようだが、担任の先生がそのことを聞き付けて、止められた。
それにしても、普通は先生はそんなことをやろうとしたら、行くなと大抵言うはずなのに危ないからと言う理由で、教師まで一緒に着いてくるとは思わなかったな。
霊花も、皆が着いていくのが不満があるのか、しかめっ面をしながら耐えていた。
彼女は、最初皆を連れていくのを反対していたが、問題児達が他の先生に言い付けるだの、親に言うだのと言って脅してきたから、渋々聞き入れた。
だけど、内心は嫌だろうな~自分の町に遊びで来られるなんてさ。
「後……言ってく事があったわ……ここから、何が起きるか分からないから……それだけは言っておくわ……」
霊花のその言葉に、僕達は唾を飲み込み緊張感が走る。
普段、問題ごとばかり起こしてる大も、その時ばかりは真剣な眼差しで、真っ直ぐ前を見ていた。
福吉も、同じような顔をしながら何時でも、応援が呼べるように携帯やトランシーバーのような物を、取り出して備える。
だが、麗美だけは両手を広げて呆れたように、ため息をつきながら霊花の言葉を聞き入れない。
「何を言ってるのよ。バカバカしい! そんな事、あるはずないじゃない! 冗談、キツいわよ! 霊花ちゃん!」
その麗美の姿を見て、皆が唖然として口を開けていた。
ここまで着いて来たのに、まだ幽霊や超常現象を信じてないなんて。
麗美のその自信は、何処から来るものなのだと。
そう思いながら、僕達は小一時間歩くと神社のような場所に着いた。
夜だったからか、周りがあまり見えないため定かじゃない。
一応、懐中電灯の明かりで照らしてはいるが、街灯がないから自分達の周辺しか良く見えないからしょうがない。
とりあえず、神社の建物の入り口の前の階段で休憩して数分だったが、突然麗美が叫びだす。
「きゃああああああ!!」
その声は、僕達の耳に響き頭が痛くなるようなデカイ音で、気分が悪くなる。
そして、麗美は声が出せなくなり、僕達の後ろの方に手を震わせながら、指を差していた。
仕方ないなと、思いながら皆でその方を見てみると、そこには透明な人のような形をした、化け物が少しずつ近付いてきていた。
「あああ……ああ……」
化け物は、うめき声を上げながら僕達の方を睨み付けている。
それは、まるでホラー物の映画ような光景。
とりあえず、僕達は保護者の先生に助けを求めるも、まわりには僕ら以外居なかった。
「どうなってるんだよ! 先生は、どうした!!」
大は、叫ぶも先生は一向に現れずどんどんと、化け物のに距離を詰められていく。
「ああ……お前ら~……許さないぞ~……」
僕達は、何とか化け物を撒いて逃げようとするも、出口はもときた場所しかないから、そこを塞がれたらどうにも出来ない。
「しょうがねぇな! 俺が、こんな弱そうな奴。やっつけてやるよ!」
「ちょっと待って! 大!!」
大は、そう言いながら化け物の方へと向かっていき、その走った勢いのまま殴ろうと、パンチをするが何故か化け物の体からすり抜けて、腕を掴まれて押さえ込まれる。
「助けてくれえええ!! 誰かああああ!!」
大は、化け物と共に消えていった。
それを見た、福吉は目に涙をためて体を震わせながら、泣いていた。
「大が……大が……ど、ど、どうなってるんだよ! この町わ!」
「落ち着いて……」
「落ち着いて、居られるか! 俺は、帰る!」
そう福吉は言うと、トランシーバーのようなもので、連絡をするも応答がなかったのか、焦りながら『誰か! 応答してくれよ!』と何度も叫ぶ。
「無駄だわ……この町で、連絡ようの機器全く役にたたないわ……」
「くそ~……どうなっでるんだよ!」
福吉は、泣きながらもどうにか平常心を保っていた、それは怯えていてみるに堪えない。
麗美、何故か余裕そうに腕を組ながら、立っていた。
さっきまで、びびって叫んで怖がっていたように思えない程に。
「どうせ、大君のイタズラでしょ~福吉君は、本当に臆病なんだから~」
本当に、麗美は肝が座っているのか、自信家なのか分からないがこんな所に来て、よく平然とそんな事言えるよと思う。
それから暫く経ち、霊花が商店街の方に行きたいと言っていたので、先導して案内して貰うとそこにはさびれた、シャッターの閉まっている店の跡地ような、物が並んでいる場所へと着く。
周りが、異様な暗い空気が流れてきたが、霊花にとっては懐かしいのか嬉しそうに口が笑っているように見える。
「行きましょ……ここには、やはり何もなかったわ……」
僕達は、元へ来た道を戻ろうとするも、とあることに気付いた。
それは、福吉の姿が見当たらいと言うこと。
「ところで……福吉君は?」
「知らないわよ! 冷夜君が、知ってるんじゃないの!?」
「さあ~……僕も、知らないな~……」
そう僕達が、福吉を探しているとシャッター街の奥の方から、叫び声が聞こえてきた。
急いで、行ってみると福吉が大量の化け物に、体中を押さえ付けられて身動きがとれなくなっていた。
「助けてええええ!!」
福吉は、そのまま大のように化け物達によって何処かに連れてかれた。
麗美は、漸くことのヤバさを理解したのか、動揺した表情で助けを求めて叫び。
「誰かあああ!! 助けてえええ!!」
麗美の、その叫びはむなしく誰も現れなかった。
麗美は、突然走り出して悲鳴を上げながら、何処かに言ってしまった。
そして、霊花と一緒に麗美を探すが、全く見付からず諦めかけたその時だった。
麗美の、叫び声が聞こえてきたので、霊花に案内して木のおいしげている林の方に行くと、両手を化け物に引っ張られている麗美がおり、今にも泣きそうになりながらも、耐えている。
「助けてよ~……冷夜くんたち~助けてええええ!!」
麗美は、化け物に抵抗しながら僕達に助けを求めるが、それは叶わず大達のように何処かに連れてかれる。
それから、何か手がかりかないかと辺りを見渡すと、謎のノートが落ちていた。
「!!!」
霊花は、それをみるやいなや何時ものようなきぜんとした、態度と違い驚いていた。
「それが……私が……探していた……大切なものよ……」
霊花は、険しい顔をしながらそう真面目に答える。
その姿は、何か深刻なことがあったかのような感じで、僕は気になっていたのでノートを開くと、そこにはこの町で起きた出来事が書いてあった。
「私は……このノートに、この町の起きた一部始終を記す……最初は、男が引っ越してきて暫く経った頃だった……突然、業者を呼んできて町を取り壊して。建て直すと言い始めたのだ……それから、町の人達は反対デモを起こして。町は、その男と取り巻きの争いになり……それが、激化して戦争のような状態になり……人が死んでいった」
ノートに書いてあることは、現実に起きたことが信じられないくらいのことばかり書いてあった。
僕は、ボーッとその書いてる内容を声に出して読んでいくしかない。
「その後だった……私が、殺されたのは……無理矢理、イタズラされそうになるも。必死に抵抗も、むなしく体を押さえ付けられて。布切れのようなもので、叫びそうになった私の口を当てて。そのまま、息が出来なくなり……私は、死んでしまった……え?」
その他は、何も書いていなかった。
ノートを閉じて、表紙を見てみるとそこには恐神霊花と名前が書いてあり、僕は驚いて腰を抜かした。
「霊花ちゃん……」
「そう……私は……死人なの……このノートを探すまで、成仏出来なかったの……」
僕は、訳が分からなくなり頭を抱える。
だって、霊花はずっと僕達のクラスに居たじゃないかと、それなのに何故と……。
「私は……この男を、見付けなければならないの……絶対に」
僕は、何故か先生のことを思い出した。
それは、この一年前に起きたとされる出来事の、翌日に前の先生へと変わったからだ。
「もしかしたら……それって……
僕が、そう言うと阿久津先生が突然姿を現した。
「探していたよ~さあ! 帰ろう!」
「先生! ちょっと待ってください! 何で、さっきまで行方を眩ましていたんですか!?」
「どうしたんだよ~百目鬼く~ん」
「それに……あなたが、担任の先生になる前に、ここのノートに書いてあった出来事が起きた……ここに、書いてある男ってあなたじゃないんですか?」
僕が、そういうと阿久津はうつむき顔を上げると、鬼のような形相で眉間にシワを寄せながら叫び。
後ろに、隠し持っていた斧を振り上げながら、僕達を襲ってきた。
「なら……死んで貰うしかないね!!」
阿久津が斧を振り下ろすが、霊花がポルターガイストのような事を起こして、体を木に押さえ付ける。
「そうなのね……あなたが……私を……」
「あははははは!! 本当に、哀れな田舎者だよ! それに、君もこんな場所に住んでいたなんて。自慢にも、ならないだろうにね!!」
「それ以上……私の、大好きな町を侮辱するなああああ!!」
「ひいいいい!!」
初めて、彼女の怒った姿を見たまるで悪霊みたいな、そんなオーラをまとっているように見えた。
それから、
霊花は、未練がなくなり成仏するとき『好きよ……冷夜くん……本当に……生きていたら、恋人になれたのに』そう言い残して消えて言った。
僕の、初恋はむなしく散っていった。
それから、ずっと泣き続けた……。
そこからと言うもの、僕は一年経って中学生になったけど、霊花との思い出が忘れられず、地獄赤池町に通い続けた。
だが、彼女はもういないと事実は全く受け止められない。
まあ、だから毎日欠かさず霊花の墓の前でお参りをしてるんだけど。
「よく……百目鬼も、こんな怖いところ来るわね~……と言うか、私は見るのも嫌なんだけど……」
「だったら、別に一緒に来なくていいよ。澤口!」
「そう言う訳にも、いかないの! だって、私もあんたのことが好きだもの! だったら、ライバルである霊花ちゃんに負けないように。冷夜の、理想の女の子に近付くために。こうやって、研究するのも私の恋愛だもの!」
「はあ~そうですか」
僕は、そう言い手を合わせて僕も好きだったと、改めて霊花の墓の前で心の中で伝えた。
「ありがとう……毎日来てくれて……私も、あなたが好きだわ……」
何故か、僕が立ち去ろうとした時霊花がそう言ってきたのが、伝わってきた。
僕は、その言葉が一日中頭から離れずずっと泣き続けていた。
これが、僕の悲しくも恐ろしい初恋の話だ……。
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