『風の通った渓谷のような清々しい空白』この言葉で喪失感を、絶望感を表してくるとはやられました。たどたどしく違和感を孕みながら空気に乗せるように発する言葉は、無くなったということを頭に染み込ませる為なのだと終着する文章は改行もなく流し込まれるように紡がれて、共感を抱いていいのかどうかを確かめるために自分もその言葉を口にしてみました。ふと、自分も誰かに見られていないか誰かの視線を気にしていました。