第14話
僕が目覚めて1ヶ月後、僕は退院した。
体の不具合自体は全くなかったが、力のコントロールが難しかったためにリハビリを行なった。
最初はリンゴを軽く持つだけでもすぐに潰れてしまうほどだった。
退院する時は病院の外にたくさんの報道のカメラが来ていたが、それを無視するように車に乗って家に帰った。
次の日はドラゴンとの戦いがあった場所を訪れていた。
ドラゴンが倒れていたであろうところには石碑が立っており、戦いの中で命を落とした人たちの名前が書かれている。
その名前のどれもが見知ったもので、一人一人の顔を鮮明に思い出すことができる。
戦いの少し前に全員で話したときのことを思い出しながら僕は石碑の前で涙を流した。
その次の日、僕は研究所に行った。
僕のあのスキルの研究所だ。
研究所では以前と同じように様々な専門用語と怒号が飛び交っている。
ここにきた理由は、スキルのこともあるにはあるが今後の活動についての提案があると言われたからだ。
近くにいた人に話をすると、所長室に行けと言われたので指示に従った。
所長室にはたくさんの資料が置かれており、その奥に呼び出した本人である所長が座っていた。
僕が部屋に入ってきたのをみると作業をとめ、1束の書類を僕に渡してきた。
書類の表紙には「極秘」のハンコが押してあり、内容としては「宇宙にもダンジョンができたから調査したい」というものだった。
どうやら、所長は僕をこの計画に参加させたいようだ。
僕自身も地球にあるダンジョンには少し飽きていたため、願ってもない話だった。
そして数年後、僕は宇宙へ向かうロケットの中に座っていた。
すでにエンジンには小さな火がともっており、いつでも出発できる。
外のカメラからの映像は僕の目の前のモニターに移されており、人々が発射を今か今かと待ちわびている様子も見える。
発射の予定時刻前の最終確認が終わり、発射までのカウントダウンが始まる。
5……4……3……2……1……発射
いきなり、すごい衝撃が体に襲いかかる。
衝撃に耐えながら、地球と地球にいる友や仲間たちに心の中で別れを告げて、僕は
~完~
ダンジョンと石になるスキル(仮) ミンイチ @DoTK
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