第13話
目が覚めるとベッドの上にいた。
どうやらここは病院のようだ。
ということは、作戦がうまくいったのだろう。
僕が目を覚まして意識を失う前のことを思い出していると看護師の人が病室に入ってきた。
看護師の人は慌てた様子で誰かを呼び、僕に体の具合を聞いてきた。
僕の体はそんなに変に感じるところもなく、ドラゴンを倒す作戦の時よりも元気に感じた。
しかし、お尻の少し上のところと背中、それと頭に違和感があるが、あまり気にならなかった。
さっきの看護師の人が呼んだのは僕が協力しているスキル研究者の1人の医者だったようで、今の僕の体の状況を細かく説明してくれた。
まず、僕はちゃんとドラゴンを倒したらしい。
あの一撃が効果的ではあったが致命傷には至らなかった。
しかし、作戦通りにしたおかげでドラゴンは倒せたらしい。
その作戦というのは、僕の体が完全に石に置き換わった時に、事前に魔法の蓄音機にこめておいた人形使のスキルで僕がドラゴンを倒すというものだ。
最初、人形使ではいちいち自分で指示をしないと動かすことができなかったが、ある時から人形を自律して動かすことができるようになった。
しかし、最初に人形に自分で指示をしなければいけない。
指示は自分の言葉でしなければいけないが、言葉を出すのであればあの蓄音機を使ってスキルを使うことができる。
僕が完全に石になって人形として判定されるのを願ってたてた計画だったが、うまくいってよかった。
そして今は、ドラゴンが倒されてから2年ほどが経っていた。
その2年の間にドラゴンの被害からは完全に復興し、冒険者たちも強くなったようだ。
そして、ドラゴンの死体は早々に解析され、様々な技術の発展に貢献したらしい。
最後に、と医者は付け加えて今の僕の体の状況を教えてくれた。
今の僕の体は、作りだけを見れば人間とほとんど同じだが、大きく違うところがあり、それが体の材質とドラゴンが持っていた体の要素だ。
僕の体は全てがあの石でできており、どんな攻撃でも傷つくことはない。
また、頭には3本の角、背中には一対の翼、そして尻尾ができているみたいだ。
このドラゴンの要素は戦闘中にドラゴンの肉を食べたことが原因らしい。
そして、僕の能力値も信じられないほどに上昇していた。
また、あのスキルは文字化けがなくなり、スキルの説明も変化していた。
スキル名【金剛よりも固き
説明
この体は何人にも傷つけることができず、歳を取らないこともできる。
不老不死を得るかどうかは君次第だ。
このスキルはこれにて極致へと至った。
と書かれていた。
僕が眠っている間に他の人形になった人たちも元の人間に戻ったが、スキルの最後の一字とスキルの説明は何種類かあったようだ。
最も多かったのは『
僕は不老不死になることができるようだが、そんなのは望んでいないためスキルを確認していた時に見つけた「不老不死になる?」の選択肢の「否」を選んでおいた。
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