第三十三話 五色の地

 浅黄は嬉しくて嬉しくて、地を駆けていた。

 だって、じゅりがずっとここにいるって!

 うんと走って、ふわりと宙に浮く。

 そのまま、すうっと空高く上がる。


 まるで、四枚の花弁を持つ花のような、この地。

 中央には黄王が、それを取り囲むようにして、緑青と黒玄と白金と朱火がある。

 その周りには海が広がっている。

 

 じゅり。

 いっしょに五色の地を守っていこう!

 しゅうごといっしょに。


 浅黄の身体は黄金色に輝いて、五色にの地にはその光が優しく優しく、降り注いでいた――




「緑青の土地守りの章」了


*番外編「柾の想い」のあと、新章「朱火の土地守りの章」へ続きます。

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