荷物持ち。
ダンジョンは広い。一層から既に東京都並の広さがあり、階層を下るとその広さは徐々に広がっていくと言う。
予測では二十層まで行くと北海道に匹敵するのでは無いかと思われるが、そこまで行くことは多分ないので大丈夫。まぁ二十層までダンジョンがあるのかも分かってないのだけど。
長い年月を掛けて最適化されたルートを通って現在最前線となってる十層に降りてく最上級冒険者達は、多くの情報を残してくれる。
それを元に上級や中級が後に続き、それが都市の利益としてぶん回る。バルジャーレとはそうやって成り立つ独自の経済があるのだ。
「じゃぁ今日からしばらく、よろしく頼むよ」
「はいです! お任せ下さいです!」
俺達はギルドの酒場で一人の女の子と面会をしてた。その子は
ふわふわとした薄桃色の髪を肩くらいで揃えてる女の子で、目の色もルベライトのようだ。
なんと言うか、見た感じはポロの顔から眠気を取って活発にして、髪と目の色を変えて身長を伸ばした感じだろうか。
見た感じは身長が155くらい? でも幼児体型は脱していない。しかし巨乳だ。
ロリ巨乳。この子を見て思い浮かんだ言葉だが、しかし隣に
年齢は十六。おま言う案件だが、こんなに小さくて若いのに何故こんな殺伐した都市に居るのか。
疑問に思って聞いてみたが、どうやらこの都市で冒険者の子として生まれて、親からステータスも上げられてるサラブレッドだった。
今はその親もダンジョンで亡くなり、自分で生計を立てる為に
名前はエルン。常にニコニコ笑ってですです言う女の子だ。そしてロリ巨乳だ。
「戦闘は任せて欲しい。君に指一本、毛埃一つ付けはしないから」
「ん、任せて。ポロ達はちょー強い」
「お願いしますですぅ!」
結構優秀な人材だと思うのだが、ギルドに斡旋を頼んだら余り物として紹介された女の子である。このくらい可愛くて巨乳で仕事も出来るなら、引く手数多だと思うんだけどな。
いやしかし凄い胸である。俺にはポロが居るから欲を向けることは無いけど、でもパーティにこんな子が居たら冒険者達は…………。
「あ、そういう事か 」
この子が優秀でもサークラになっちゃうのか。理解したわ。いやパークラか。パーティをクラッシュしちゃダメだろう。
腑に落ちた俺は、エルンの案内でギルドを出てダンジョンに向かう。その際はもちろんグランプを使う。
「わわわっ、凄いですぅー! なんですかこれぇ!」
エルンは大きなリュックを背負ってるけど、それ以上に収納系の
スキルは加護持ちと一緒に居ると生えやすいが、加護持ちが居なくても頑張れば生える。
グランプをバハムートに任せて自動運転しながら、中をエルンに案内した。
「ご不浄! お風呂! 何ですかこの車!?」
「休憩中は好きに使って良いからね。ただ夜は遠慮して欲しい。夫婦の時間だから」
「あ、あわわわわ……、大きな寝台が……」
顔を真っ赤にするエルンをリビングに座らせたら、彼女にポロを付けて俺だけ馭者台へ。
ダンジョンの入口に辿り着いたら全員で降りて、そこでエルンから色々と手引きされる。
「良いですか? まずカイトさん達の目的を元に
手書きの地図を広げられ、言ったことも無い場所だからよく分からないけど説明を受ける。どこがどんな理由で通りやすいのか、通りにくいのか、どんなモンスターが居てどんな地形なのか、事細かく教えられる。
「中はグランプで進む訳にはいかないの?」
「場所によるです。殆どは狭かったりして無理だと思うです」
森とか洞窟を普通よりデカい車で通れるかって言われたらそりゃ無理か。
「でも、カイトさんも私と同じ収納のスキルを持ってて良かったです! 大分楽になりますですよ!」
……………………ん? 今なんか翻訳が変わったな。原始魔法って聞こえるはずの言葉がスキルに聞こえた。もしかして俺の意識でアップデートされて行くのか?
今思うと、なんか聞こえ方にムラがある時が何回かあったな。そのうち魔物がモンスターに、迷宮がダンジョンに聞こえてきたりするのか?
まぁ「マジ」とか「えっち」とか通じる翻訳だもんな。今更気にしなくて良いか。
「…………カイトさん?」
「ん? あぁ悪い、少し考え事した。……収納だっけ? 俺のはインベントリって能力で、簡単に説明すると『同じ物なら無条件で九十九個まで入る』宝箱を五十個使える能力かな」
「凄いです! 大きさとか制限無いです?」
「無いよ。だからこのグランプも入る」
お互いの能力を晒し合う。信用出来ない相手ならしないけど、この子なら多分大丈夫でしょ。ダメならダンジョンの中で殺すだけだし。
日本に居たら流石にこんなヤバい思考はしないけど、盗賊とか居て普通に殺されるような世界で日本人の倫理とか邪魔過ぎる。
幸い、人を殺しても心に来ないタイプだったらしいから、必要ならちゃんと選択肢に入れておきたい。
ちなみにポロはクソ女なの件である程度の納得をしたけど、自分の手で殺るのはちょっと無理みたいだ。その時はラギアスとピーちゃんに頑張ってもらおう。
「説明はこんなとこです。ではさっそく入るですよ! 案内は任せてほしいです!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます