第6話 買い物
俺とはるはショッピングモールに着き。女性用服売り場に向かった。
しかし女性用の服売り場になんて足を踏み入れた事のない俺は少し緊張している。
はるは体をビクビクと震わせていた。親に見つかることを恐れているのだろう。
「大丈夫?」
「大丈夫です」
「なにか良い服見つかった?」
「いえ、まだ......」
「好きなの選んでいいから」
俺にはファッションセンスなんて持ち合わせていないので現役女子高生のセンスに委ねる。
しかし彼女はあまりファッションには無頓着なのか難しい表情をしながら服を探す。
「は、本当に買ってもらっていいんですか?」
「全然気にしなくていいよ。同じ服着続ける方がなんか申し訳ないし」
「あ、ありがとうございます」
彼女は申し訳無さそうな表情を浮かべてお礼を述べた。
誰でも人のお金で物を買ってもらうとなると遠慮してしまい、欲しいものも買えないだろう。
俺たちは服選びに苦戦していると後ろから声をかけられた。後ろを振り返るとそこに居たのは服売り場の店員が立っている。
「何かお探しでしょうか?」
俺たちが服選びに苦戦しているのを察して声をかけてくれたのだろう。
「高校生の流行りの服とかってどんなのです か?」
「そうですね。今時はこの様な洋服が流行っております」
店員は小花柄のシャツを見せてくれた。
「今は可愛い系ファッションが流行っていますよ」
「そうなんですか」
はるはファッションに無頓着なのか今の流行を把握していなかった。
「試着してみるか?」
「えっ?」
「試着してみた方が決めやすいだろ」
「わ、分かりました」
そうすると店員は試着室へ案内してくれた。
数分すると試着室のカーテンが開く。はるは少し恥ずかしそうにこちらを見つめる。
「どうですか?」
「似合ってるよ」
俺はそう答えると視線を逸らす。あまりの可愛さにはるを見続けることができなかったから。
だが決して変な目で彼女を見てはいない。彼女は小動物の様な可愛らしさがあり、可愛い系の服がとても合っていた。
「どう?その服気に入った?」
「えっと、まだピンときてないです」
「そっか」
俺は腕時計に目をやると正午を過ぎていた。
「まぁ、一旦昼食とって考えたら」
「そうします。お手間をお掛けしてすみません」
「大丈夫大丈夫」
はるは申し訳なさそうな様子だったが気にしなくても良い。俺は暇人だから一日中服を探していても大丈夫だ。
そうしてフードコートへと向かう。
真冬の夜に一人で居た君を助けたら恋されました バブちゃん @babu97
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