君の花火

@ittcyan

第1話花火


「元気、ですか、?」


都会では嗅ぎなれない独特の草の匂いは鼻をつんとさせる。



湿気さと懐かしさをもった夏風が、私の頬を撫でる。



「変わんないなぁ」









君は、今の私を見たらなんというだろうか


『大人になったね』と笑って、いつもみたいに私の頭を撫でるのだろうか。



じゃあ、「もうあなたよりも歳上です」って言って頭を撫で返してやろう。 


「身長が足りていないぞ」と馬鹿にされるかもな


その時は、あの人の目の前で缶のビールを飲んでやろう。




もう、会えないのは分かってる。





でも、毎年この季節になると、ここにきてしまうんだ。



君の面影を探して



君が、忘れられなくて





_________________________________________


あれは、6年前のこと。






















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