解説

 この肉塊は「ぬっぺふほふ」と言い1609(慶長14)年に駿府城に出たという。物語の通り家康はこの肉を食わなかったという。


 多田克己 著『絵解き 画図百鬼夜行の妖怪』より。


 いわゆる「のっぺらぼう」の一種だが一般の人が考えるのっぺらぼうではなく文字通り皮膚がなく「肉が蠢く」ようなホラーな状態だったという。この肉を食うことで長寿になると言われたが家康は逃したという。この「肉を食えば長寿になる」と進言したのは誰だろうと考えたときにそれはブレーンとなっていた氏真だったんじゃないかと創作し、創作童話が完成しました。


(※皮膚がある「ぬっぺふほふ」も存在します)


 なお「ぬっぺふほふ」を食うと単に長寿になるのではなく強者にもなれるとも言われる。その割にはこの城に住む城主はろくな目にあってないということでこのようなストーリーとさせていただきました。


 次に作品にも出て来た「塩止め」とは何かについて。当時今川=北条の同盟関係にあった二国が内陸国の武田に塩を止めることです。みなさんもたぶんご存じだとは思いますが謙信から塩を送られました。有名な「敵に塩を送る」の語源です。



 ここからは想像ですが家康ってまあ「竹千代」と言われた幼年時代からですが病弱だったんですって。だから今川家や家康の願望だったんじゃないのかなあって。つまり願望が生み出した妖怪だったのではと。氏真は物語で書いたように徳川の軍門に下りますがこの後家康は武田軍と戦います。この時家康はおなかを壊して……。

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肉蠢 らんた @lantan2024

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