第7話 カップルって何ですか

「...............?」


頭がショートした。 宮下さん、今なんて言った?


「あのー。今なんと?」


「少しの間付き合ってみない?そうしたら、お互いにミッション攻略に...」


「はえ、、、、、?」


んんん?? 宮下さん今俺に付き合おうだのなんだのって、、、


はああああああああああ!!!!!??????


「えまってくださいなんでぼくなんかとつきあうんですかわけがわからないです!!

!!!!!」


「ダメ、、、、なの?」


「いやそういうのじゃなくてぼくだってみやしたさんのことだったしほんとにだめとかじゃなくてそういうのはだんかいをふむというか...」


「えっ// えっとー、、、。そうだったのね。 ビックリしちゃうじゃない...急に好きだなんて」


やべえ言ってしまったあああああああ!!!!


「んー、、、。だとしたらそんなに悪い話ではないと思うんだけど、、、、」


一気に心臓の鼓動が早まる。 頭が混乱する。


気のせいかもしれないが宮下さんも少し顔を赤らめていたように感じた。


「、、、とりあえず落ち着いてくれるかしら?」


少し時間がたって、慌てふためきながらも何か話の辻褄が微妙に合っていないという違和感を感じ取った。



ほんの少し落ち着いたところでまた宮下さんが話かけてくる。


「えっと、、、私の言ってること理解してるかしら、、、?」


「いえ!!!!!!!」


「えっと、、、"special mission"を以前二人でクリアしたわよね。それは今日から一か月で二人のお互いに対する好感度の上昇度に応じて特典が生じるっていうものなんだけど」


「ん?」


「とどのつまり、ミッション攻略をよりよく行うために関わりを増やそうってことよ」




いや本気のやつじゃないんかーーーーーーい!



「そういえば、カメラの好感度確認機能は使ったことあるかしら?」


「、、、いや。まだ一度もないです」


「ちょうどいいわ。お互いの好感度確認のために、それを使ってみましょう」


そういうと、早速宮下さんは俺のことをカメラでパシャッと撮った。


「えっと、、、好感度80!? 相当高いわね...//」


うわー恥ずかしいいいいいい! 引かれたりしてないだろうか...。


返すことが見つからなかったので、『俺も撮りますね』 と宮下さんに告げ、宮下さんをカメラに捉える。


宮下さんがコクコクと頷く。


なんだろう、ちょっと緊張する。宮下さんの俺に対する好感度はどれくらいなのだろうか。


手が震えてしまいうまくカメラに映せない。


「、、、まだかしら」


「あ、ごめんなさい」


ええい、覚悟を決めろ!


パシャッ。



画面を見てみると、そこには60という数値が刻まれていた。


「どうだった?」


「えっと、60でした」


「あら、そうなのね」


「ちなみに、一般の男女の友達の好感度だと平均は30くらいだとされているわ。いい滑り出しね」


んんん!?!?


そう考えたら、もしかして結構好かれてるんじゃないか!?


「ふふ。友達以上恋人未満といったところかしらね。でも、今はもうだわね」


そんなことを言われて、おれは飲んでいた麦茶でむせそうになった。


「ゴホッ、ゴホッ」


「あ、大丈夫!? ごめんなさい、急に変なこと言って」


「嫌だったら、無理に関係を強要しないわ」


「いやいやいや、是非! お願いします!!!」


「、、、はい// これからもよろしくね」


宮下さんはそういうと、満面の笑みで俺を見つめた。



「協力して、を目指しましょう?」



「え? えっと、一位ってなんのことですか?」


「ああ、これはコネクトしたペアが競う、ランキング形式のバトルよ」


「んん? それってつまり...」


「Nm.phoneを持ってるのは、私たちだけではない」






________あの日を境に、僕は宮下さんの彼氏(?)になった。


事情が合って付き合っているとはいえ、あの時告白のようなことを言われたときは嬉しさで破裂しそうだった。


ここ数日、宮下さんと学校だけでなく、プライベートでもよく接するようになった。



おかげで最近、クラスの男子から鋭い視線を向けられることが多い。


そして、カップル生活(仮)を送るうえで俺らはいくつかルールを設けることにした。


一つ、極力会話を常にするようにする。


二つ、学校での昼食は毎日一緒にとる。


三つ、お互いの好感度を毎日確認する。


などというものだ。


そして今日も、俺は宮下さんと向かい合って弁当を食べている。


「その卵焼き、美味しそうですね」


「そうかしら? ありがとう。お弁当は毎日自分でメニューを考えて作ってるけど、卵焼きだけは欠かせないのよね」


「料理、お得意なんですね」


「ふふ。そう言われるとうれしいわ。 一つあげましょうか?」


「え、いいんですか?」


「もちろん」


「ありがとうございます。 では一つだけ、、、」


「待って」


俺が宮下さんの弁当に手を伸ばそうとすると、宮下さんがそう言った。


次の瞬間、宮下さんは箸で卵焼きを掴んで俺の口元まで運んだ


「はい、あーん」


「え、自分で食べれます」


「もう。そんなこと言ってるとあげないよ?」


「それは嫌です!!」


「なら、どうぞ?」


俺は差し出された卵焼きを頬張る。


とても甘いながらも、しつこさがなく、とても食べやすい味がした。


「、、、んん!! 美味しいです」


「よかった。」


なんか食う時にどっかから舌打ちが聞こえた気がするが、まあ俺に対する嫉妬だろう。


ざまぁみろw


そんな感じで会話を続けていると、宮下さんがこんなことを言った。


「ねえねえ、私たち心の距離が遠い気がするの。だから、お互い下の名前で呼んで、敬語は控えましょう?」


「えっ、無理ですよ急に。多分緊張しちゃいますし、そうじゃないと流暢に話せませんし、、、」


「ふふふ。今だってそうじゃない、ほら、夏目って呼んで」


「無理ですって」


「いいからいいから」




「、、、夏目さん」





「はい、泰斗くん」

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禁止すればするほど豊かになる生活〜モテたい俺が“オナ禁“をしてモテ男に成り上がる〜 こいしのせせらぎ。 @koi_ragi

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