少し長めの休み時間

キーンコーンカーンコーン……



チャイムが鳴った。


「じゃあ休み時間にしてください。」


担任がそう言い、号令がかかった。



「ありがとーございました!!」



皆はそう言っているが、私は無視して本を読む。



休み時間は40分。やけに長い休み時間だ。



皆が転校生のところに群がってくる。



「ねぇねぇ、狂花ちゃん。」



そう呼ばれ、私は一瞬そう呼んだ奴を睨む。


ヒッ……。

え、怖っ……。


皆がたじろぐ。


私はため息をついて、立ち上がって、ポケットにいれておいた校内マップを見て、教室を出た。


行く先は図書室……なのだが、特別教室をまとめている場所にいくには、一度外にでなければならないらしい。


面倒だが、マンモス校なので、仕方ないというべきだろうか。



隣の席の子が、私を追ってきた。


いや普通にキモい……。


私はチラリと後ろを見て、コソコソと追ってきている隣の席の子に話しかけた。



「何?」


「え、、、あ、いや、、、、、、仲良くしたいなー、と思って……。」



私がはや歩きをすると、その子は走って私の隣に並ぶ。


面倒臭いので一足先に角を曲がり、また角を曲がり、階段を降り……。


そうやっていると、いつの間にかいなくなっていた。……撒けたのだろうか。


そして図書室……いや、図書館と言っても過言ではないほどの図書室で本を読み、人が全然来なくて退屈をしていた司書さんと少し雑談をして、チャイムが鳴ったので教室に戻った。








教室に戻ると、私の机が水で濡れていた。


すぐ近くに水筒置き場があるし、誰かがこぼしたのだろうか。



私は迷惑に思いながら、雑巾で拭いた。














それは、昼休みもそうだった。


図書館から帰ると、水がこぼれていて、防災頭巾にも水がかかっていた。


そして、マッキーのインクを水で溶かしたのだろうか。

インクのようなもので、机の色が変わっていた。



馬鹿らしい嫌がらせだなあ、と笑い、雑巾で拭いて、雑巾を石鹸で綺麗に洗う。









雑巾が使う前より綺麗になったので、有難いとでも思っておこう。




最悪、なんて思わなかった。



なんでなのだろうか。


私が怒らないと、皆調子に乗っていじめをしてくるのに。


なんで、私は怒れないのだろうか。



"記憶が無いときの私"は、もしかしたら、もっと酷いいじめを受けてきたのかもしれない。



担任に報告しようと思った。



――でも、そんなの意味は無い。


なんでそう思ってしまうのだろうか。

あの担任に会ったことはないのに。


――今までの担任は、皆そうだった。


今回の担任は、違うかもしれないのに。





どうして、そうやって決めつけてしまうのだろうか。



どうして、私は……………。

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マジシャン こリス @ko-risu

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