縢り火

 彼らの喧騒の遥か上、


 高みというには低すぎる地で、


 赤く、青く、沸騰する。


 輪になって、


 ただ一点を見つめ、


 僕らはここに集まった。


 ここから始めよう。


 ようやく手に入れたこの火を、


 彼らには渡さない。


 いや、渡せないだろう。


 あのどれほどが、


 まだ口を利けるというのか。


 獣は総じて、火を恐れる。

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灰の詩 塊宮麗央(くれみやれお) @LeoBlock

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