第50話 梨のつぼみ取り
梨に花が咲くのはとっても嬉しいのですが、なぜか、梨の花の蕾(つぼみ)をとる作業をしています。
せっかく花芽(蕾=花=実)がつくようにしてきたのに、蕾が付いたら落とすなんてとってもむごいことをしているように思えますが、ちゃんとした理由があります。
というのは、余分な花がたくさんつくと、花を咲かして、実をつけるために、梨の木はエネルギーを使い果たしてしまうためです。
梨の木は、夏から秋にかけて太陽光線をいっぱい浴びて、枝を太らせ、エネルギーを蓄えます。そして、春になると蓄えたエネルギーを使って花を咲かせ、実をつけます。
それで、つぼみがついたら、即落とすことが大事です。
実際は、蕾の段階で取るのはなかなか厳しいです。なぜなら、蕾から開花までの時間が本当に短いからです。それで、咲いた花も、どんどんとっていきます。
さて、つぼみを一番とるのは、枝の先端です。一番先っぽは、梨の実を絶対につけないからです。
先端は、葉っぱを伸ばして、枝になるようにしてどんどん成長させたいからです。
将来、実が成ってもとれないような、木の幹とか、枝の上とか、支柱の上とかも、蕾を取ります。
というわけで、よく手入れしている梨畑には、今の時期は、いっぱい花が落ちているはずです。
ですが、なかなか梨農家もいそがしくて、花をとることまで、てがとどいていなくて、まだ剪定をしている農家もあるかもしれません。
あるいは、忙しくて、花を取るのはあきらめて、次の実を減らす作業でなんとかしようとするかもしれません。
そんなわけで、剪定がしてあって、花のじゅうたんのようになっている梨畑は、手入れが行き届いていて、美味しい梨園ではないかと思います。
でも、本当は、花のじゅうたんになる前に、先に書いたように、蕾で落とせる方が良いわけで。
おかげさまで、猫の額サイズの我が家の梨畑は、なんとかこの、蕾や花をとる作業ができるので助かっています。
余談ですが、自分が子供の頃、梨園の花が満開になるときれいで、大好きでした。でも、いまは、梨園の花は、どんどん落としてしまうので、ちょっと花の寂しい梨園になってしまいます。こんなところにも、梨の育て方の変化があるようです。微妙な所です。
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