第47話 梨の蕾に消毒を

 ようやく梨の花が、開きはじめました。


 冬芽が蕾になり、花が開き始めたら、まずやる作業は「消毒」です。


 一般的なイメージとしては、蕾に消毒するなんておかしいと思われると思います。実際、僕も、最初は恐る恐るかけました。やわらかな蕾は大丈夫かと不安でしたので。


 実は、この消毒は、蕾を病気から守るとても大事な消毒なのです。いわば、バリア的な消毒です。


 梨の一番の天敵の病気は「黒星病」です。「黒星病」は土の中にいます。


 冬の間は、冬芽は、硬いカバーで大事に保護されています。

 ところが、冬芽が大きくなって蕾になる時に、硬いカバーがポロリと取れます。ロケットの先端のカバーがとれるようなものですね。

 カバーが取れると、土の中の「黒星病」が飛んできてくっつき、感染してしまう恐れがあります。

「黒星病」に感染するより先に、バリア的な消毒をするのです。


 バリア的な薬ですので、長い間効果が効いた方が良いわけです。それで、一番効果が長く効く薬を、今回使いました。


 一般に、消毒する日は、天気が重要です。

 風が弱い事と、消毒してから一日以上雨が降らない事が重要です。


 今回は、それに、梨の花の開花にピンポイントに合わせる必要があるので、とても大変でした。


 ようやく消毒が出来て、ホッとしています。


 ただ、これから、雨が続きそうで心配です。菜種梅雨のシーズンになるからです。

 去年もこの時期雨が降って、ミツバチが飛ばなくて心配しました。

 それに、病気は、雨の時に感染するようなので、出来るだけ雨が降って欲しくないのです。


 でもまあ、仕方がありません。ともかく、やるべきことはやったので、あとは、お天気に任せるしかないと、腹をくくってじっと空を見ています。


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