第41話 一面のレンゲ畑

 近所のレンゲ畑です。


【近況ノートへリンク】↓ レンゲ畑

 https://kakuyomu.jp/users/suzukaze3/news/16817330654337901471


 一面のレンゲ畑を見ると、子どもの頃を思い出します。


 当時は、どの田んぼもレンゲが生えていて、ごく普通の風景でした。


 春になれば、近所の友達と一緒に、レンゲ畑を走りまわったり、ころげまわったり、蜜を吸ったりと、いろいろ遊んだものです。


「レンゲ畑に入るな」


 と言って、近所の「こわいおじさん」に叱られたこともありましたが、叱られる理由が良く分かりませんでした。


 子どもにとっては、田んぼはどこも自由な遊び場だったからです。


 マメ科の緑肥として育てられていたレンゲソウとレンゲ畑ですが、最近は減ってしまいました。


 なぜレンゲ畑が減ってきたのか、コメ作りをしている先輩に聞いたことがありました。そうすると、

「レンゲは、アブラムシが付くんだよ」

「レンゲに種が付くまで待つと、コメ作りの時期が遅くなるんだよ」

「トラクターに絡むから、耕すのも結構大変なんだよ。手間もかかるし」

 と、教えてくれました。害虫。時期。手間。それが課題のようです。


 手間については、農家が減ってきたことも関係あるのではないかと思っています。


 コメ作りをする農家が減ってきているので、みんな専業農家に田んぼをまかせています。任された農家は、余分な手間をかけずにコメ作りをしたいのでしょう。


 他に考えられるのは、コメの収穫方法の変化かもしれません。最近のコンバインは、稲刈りの時に、田んぼで脱穀して。モミ(コメ)だけ収穫してしまいます。稲わらは。その場で粉砕して、田んぼに蒔いてしまいます。


 それで、わざわざ有機物を入れなくてよくなったのかもしれません。


 レンゲは、田んぼへ有機物を入れる手段になっていたと思うのですが、もういらなくなったのかもしれません。


 ただ、僕の住んでいる地域では、レンゲ畑を取り戻す取り組みをしているようです。農協から「レンゲの種」の申込書が回ってきます。無料です。


 これは、市の取り組みの一環だと思うのですが、どちらかというと、「美しい景観づくり」の色合いが濃いようです。


 ともかく、そんなわけで、無料でレンゲの種を配布している我が家の地域であっても、一面のレンゲ畑は、貴重になってきています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る