第309話 副領主の帰還
買収大臣たちを受け取った額で、赤裸々ランキングを皆様に教えてやった。
クソジジイ共ありがたく思え!
そして、俺の親切なお知らせにお集まりの皆様も大変な盛り上がり!
すっごい刮目してるし(笑)
『何?!きさまが?!!』
『…ほう。そんなに受け取っていたとはな…』
『次の副領主は儂だ!貴様は辞退しろ!!』
大臣共は皆して、好き勝手な事を喚き捲くっている。こいつ等、自分の置かれた状況が分かってねぇにも程があんだろ……。それとも自分は大丈夫だと、高を括る材料でもあるのか?
とりあえず、呆れ顔で大臣共を見ている領主さんに、気になっている事を聞いてみようか。
「……領主さん、今の副領主って誰なんですか?少なくとも、ここにはいない人ですよね?」
「ああ……そうね、今ランティエンスにはいないわ。王都へちょっと行ってるの。……ほら、シロー君が私の所で色々と暴いてくれたじゃない?それを聞いた途端に『絶対アイツが絡んでるはずだ!』って部下を手配して、その報告を受け取ったと思ったら『ちょっと片付けて来ます!』と言って王都に行っちゃったのよね…。でも、もうそろそろ帰って来ると思うわ」
「聞いてる限り、行動力もあるし優秀そうな副領主さんじゃないですか?それでも、この事態は防げなかったんだ?」
「その時はね、ずっと続いてた私の体調不良を治す為に、頼んでもないのに色々調べては薬師に回復薬を依頼したり、怪しい魔道具を持って来たりとしていてね……。本来の仕事をしろと諭しても『これが最優先するべき私の仕事です!』と言って聞かなかったのよ……」
それで良いのか副領主の曲によ…。
そいつがちゃんと仕事してればここまでにならなかった……ああ、それも狙いだったのか?
領主本人は毒のダメージで本来の活動を阻害して、なんだか領主に傾倒していそうな副領主は、その性質を利用されたのか?
「あと片付けって……副領主みたいな人がナニをやってんですか?」
「ああ、大丈夫よ……多分。直接ってよりかは…社会的に?片付ける………というか……どうにかするって意味だと思うから……多分。基本、優秀なのよ?でも、何故か私絡みだとちょっとおバカになっちゃうのよね……だけどきっと……大丈夫よ………多分」
『多分』って一言がたくさん入ってて、全然大丈夫じゃない感じしかしねぇ……。
それにしても、この5人の大臣連中うるせぇなぁ…。途中、部屋を抜け出そうとしたヤツに魔法で牽制したら、出られないと観念したのか途端に騒ぎ出しやがって。
「ニャッフゥ(お腹すいた)!」
「ああ……悟郎さん、もうお腹減ったの?俺もこの不毛なオヤジ共は見飽きたから帰りたいんだけど、これ食べてもうちょい待って?領主さんにステイして貰わないとヤバそうだから」
「ニャッ(わかった)」
「(キュッキュ(ぼくも)!)」
胸元からチビも飯の催促をして来たんで、隙間からソっとマカダミアナッツを差し入れる。
そこへ、廊下の方からバタバタと走って来る複数人の足音が届いた。誰が来たのか知らないが、そのまま勢いよく会議室のドアが開けられ見知らぬ野郎共がなだれ込んで来た。
「………御領主様!ノクイルヨン様!こちらに御出ですか?!!リコート及び第四領兵、只今戻りました!」
「……まあ………噂をすればと言うけど、実際に来られると計った様で怖いわね……」
「え?!私の噂を?!ど、ど、どんな事を話されていたのですか?!」
「……リコート……戻って早々で悪いが、ここで差し支え無ければ報告を頼む」
気を持ち直した領主さんに問われ、噂の副領主のリコートさんが『ハッ』として、落ち着きを取り戻した。
その副領主が大臣共に目を向けると、途端に静まり目を背ける。
眼力が強い上に、その張り付いた笑顔……。
……………マジ怖いな。
ほら正念場だぞ?
少しは足掻けよ〜クソ大臣ども!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
不定期更新になりそう…ボチボチ行きますので良ければお付き合い下さい。(;;;・_・)
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