第240話 チビの新たな能力と今後の相談
「アババババイダダダダ!!す!ストップ!!イア!止めて!!止めてぇーーー!!!」
「ピピッ!!」
「だ、大丈夫なのか?!シロー??」
「………ダメージが通っていた気がするんだが…?」
大丈夫じゃない!これは『ピリピリ(弱)』なんて可愛い表現が不適切なほどの強い電気ショックが、痺れと痛みを伴って身体中に走ったぞ?!
普通に攻撃された気分だ……。俺は電気マッサージ程度のピリピリを想像していたのに!!
「……イアさんや、これが君の普通のピリピリ(弱)なのかい?」
「ピッ!」
「そうかい……。いいか?これは魔物にはドンと使っていい。だけど人の場合は、俺がやって良いぞって言った時だけにする事。オルガとマシューもだ。分かったね?」
「「「ピピッ!!」」」
何て恐ろしい子達なんだ……。雷神様の守護でも頂いているかの様だ……。
これでまだ8レベルで『ピリピリ(弱)』だなんて、本当に末恐ろしい。
そして、俺は雷系が皆無だから羨ましい。カッコいいよな……雷系。攻撃も良いけど、エフェクトとしても使えるしさ…。俺にも生えないかな……雷系……。
「さすが、ミーガンタだな!“雪原の雷光”と呼ばれるだけある!」
「………雛鳥でこの出力とは。成鳥になったら、その威力がどこまで増すのか想像も付かないぞ?!」
え…?何その二つ名……。ちょっとカッコ良すぎじゃない?悟郎さんとチビにも何か無いのか?!
「ロレンドさん、デザートキャットとツリードロワにもそんな二つ名が無いんですか?」
「あるぞ!デザートキャットが“砂漠の癒やし”で、ツリードロワは“森の隠者”だ。」
「おお!悟郎さんピッタリ!俺、会った瞬間から癒やされたし、悟郎さんと会えなかったら、砂漠を超えるの無理だったもん。」
「ニャッニャゥ(同じだよ)!」
悟郎さん!!!!!!!俺、今、感動と感謝とその他諸々の感情の
「キュ!キュ!キュ!キュ!キュ!!!!」
「……チビ、良い事を教えてあげよう。“隠者”と
呼ばれる様なツリードロワは、普通足ダンしないよ?」
まあ、ある意味感情表現が豊かで、その点は賢いとは思うよ?だけど、曲がりなりにも“隠者”であるなら足をダンダンさせて自分の居場所を知らせるか?って問われると、違うよな〜ってね?
「………チビは今は森の外だしな。ツリードロワが“森の隠者”と言われる
トラキオさん…………フォローの達人かよ?!
この人、基本プラス思考な発言が本当に多いし、でも注意する所はしっかり指摘してくれるんだよな…。
「そうだ、シロー。ダンジョンでチビの果実発見が、下層の時よりも早かった気がするんだ。確認したか?」
「あ!忘れてました!俺も早いな〜とは思ってたんです。今確認してみます!」
名前 チビ(士郎の従魔)
性別 男
種族 ツリードロワ(転移者の保護中)(悟郎の家来)
レベル 32
属性 風
状態 憤慨
体力 76 (30)
耐久 73(30)
力 66(30)
魔力 96 (30)
知力 89 (30)
瞬発力 82(30)
運 124(30)
特技 木渡り 風薙 脱兎 食物探索
装備 なし
素敵な特技が!!ヤベー『食物探索』だと?!
なんて素晴らしい特技を生やしてくれたんだ!チビ!!
「チビ!新しい特技最高!!そして、お前の抗議の理由が分かったよ……お前は逃げ隠れするツリードロワじゃない!ダンジョンに行ったら、その力を頼りにさせてもらうからな!!如何なく存分に発揮しろ!」
「キュキュキュキュキュ!!!キュゥ〜〜!!!」
悟郎さんやチビの特技には俺の“段位”の様な表示が無いが、きっと使用する事によって精度が上がって行くんじゃないかと思ってる。いや、マジで期待しているから!!
「………シロー、チビに何が出ていたんだ?」
「チビには“食物探索”って特技が新たに出ていました!」
「ああ!それであんなに早く果実を見付けられたんだな。きっと、
「それ、大いにあり得る………。」
本当に人の事は言えないけど、食いしん坊がその欲望のまま頑張った結果、特技として生えたんだろう。
でも良い特技だよ……チビといいピヨといい。羨ましい。俺も欲しいって結構思ってるのにな〜。
それにきっとチビの“食物探索”は、チビの好きな食物にしか反応しないんじゃねぇかと思ってる。
だから、キノコとか葉っぱ系は無反応…。それでは俺が寂しくて泣くかもしれないから、俺にも有用な特技を下さいお願いします!
「明日、仕切り直してギルドに行くが、シロー、やっぱり俺達と一緒にランティエンスへ行こう。話を聞いてると、やっぱり少しは先達に付いて学んだ方が良いと思うんだ。ランティエンスからは、道程上またログレスへ戻ってくるし、シローは普通の野営も経験しておいた方がいい。今後、止む無くハウスに招くのを躊躇う同行者がいた場合にも、慌てずに用意が出来る様になるだろ?街に行ったら、その道具も揃えておこう。」
「………南の山での野営は、やった内に入らないからな?あの時は、領主様からの依頼で、作業をする冒険者は用意も夜番も無く、至れり尽くせりだった。」
クッ!トラキオさんに言い訳を封じられた!!
……そんないきなり他の人と回る様な事にはならねぇと……思うけど確かに先は分かんねぇしな…。
「………あと、シローは概ねしっかりしてるが、抜けてる所もある。特に食が絡むと顕著だ。これは自覚しつつ直していくか、仲間をつくって補い合うのが望ましい。」
「そうだな。持ち帰った卵が有害な魔物の可能性だってあったし。今回は、偶々問題無かった……と言うか当りを引いたから良かったよ。テイマー系の冒険者からしたら、ミーガンタのテイムは垂涎だと思うぞ?小さいのにあれだけ高出力な攻撃が出来るんだから。」
そうか……そりゃあみんなもジェットでストリームなアタックをしたいと思うよな……。
そして、トラキオさんの指摘がど真ん中過ぎて痛いんですが?
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