第231 話 ログレス冒険者ギルド
「ニャウニャ(平気)?」
「ああ、悟郎さん。俺は平気だよ。ちょっと不意打ち食らった気分だけどね。だけど、人は逞しいよね…。食おうと思えばアレも……。いや、郷に入れば郷に従えって言うしね…。でもね!俺の郷には無い習慣なんだよ!!アレは断じて食うもんじゃねぇ!!!」
「シロー落ち着け。……まあ、店を出るまで良く我慢したな。次は肉を頼めば間違い無いから。」
「……肉。そうだ……そうですね。トリュイション(野ブタ)は絶対に確保しないと。悟郎さんも気に入って、お代わりを凄いしたから……!お手頃な値段の店で本当に良かった!!」
悟郎さん、あれから更に8回もお代わりしたからね!合計11品も食ったんだ!!今度、教えてくれた門番さんにお礼を言わないと!マジで助かった!!
「…………シローはこれからどうするんだ?今からダンジョンへ行くなら一緒にどうだ?」
「おお!そうだな!俺たちが潜った所までなら、果物のある場所と魔物の事も教えられるぞ?」
「本当ですか?!ありがとうございます!よろしくお願いします!あ、その前にギルドに行ってダンジョンの入場許可を貰わないと!」
やった!教えて貰ったら探す手間が省けるぞ!それにアレに対しての心の準備が出来る!
ギルドの場所は聞いていたんで、早く入場許可を貰ってダンジョンに入ろう!
ロレンドさんとトラキオさんは、少し準備があるらしく、街の外門で待ち合わせをして別れた。
ダンジョンがあるギルドだからか、辺境の倍近い受付の数で、どこも混んでいる。……あ!全然並んでない場所発見!
「すみません、ここも受付ですか?」
「…………ああ、そうだぞ?なんか用かボウズ。」
「これからダンジョンに入りたいんで、入場許可を下さい。あと従魔は一緒に入っても大丈夫ですよね?」
悟郎さんとチビに顔を出して貰って、カウンター越しに顔パスを出す。
しかしこのオヤジ……。辺境にいたメルギスを見た時の様に、つい不穏なワードを口にしてしまいそうな、アンニュイな感じのイケオジだ……。
「ふーん……。お前がルビスの言ってたヤツか。」
「ルビス??」
「辺境のギルド長の名だよ…。まあ、滅多に名前で呼ぶことはないだろうがよ。」
ゴリラって言えばすぐに分かったけど、名前は一度聞いただけだし、似合わないから脳が記憶する事を拒否したのかもしれねぇな。
「ほら、これがお前に渡す様に言われたヤツだ。」
「??これが入場許可証なんですか?」
「んな訳ねぇよ。ダンジョンなんて冒険者なら出入り自由だ。これはダンジョン内でもここのギルドと通信が可能なダンジョン品だ。過保護なアイツが入る前にお前に必ず渡してくれってさ。」
「………………。」
ギャーーーー!!子供扱い!!俺はゴリラを父に持った覚えはないぞ?!それに俺はこの前17歳になったんだ!
「まあ、何かあったら連絡しろ。依頼をしてくれれば、助けにも行くぞ?それと、何でもいいから魔物の魔石をココに入れろ。でないと通信は出来無いからな。」
「……魔石。」
「知らねぇか?」
「いえ、最初の……………大丈夫です。持ってますから。」
魔石……そう言えば辺境に来てからは現物が残ったから存在を忘れてた。
よし!嫌だけど
「余計な事だと思うが、少なくとも態々ダンジョン品を用意して持たせ、保険を掛ける位にはルビスはお前を買っていて、辺境に無事戻って欲しいと思ってるんだろう。そう言う心配をされたくなかったら、従魔以外の人の仲間を持つんだな。」
「………今回は、辺境冒険者の先輩に会ったんで、ダンジョンには一緒に潜ります。」
「……そうか。まあ、冒険者は全て自己責任だ。お前が責任を負える範囲で行動しろ。何かあっても、俺はルビスみたいに甘くはねぇからな。」
「……俺?」
「ああ。ログレス冒険者ギルド長のキリエドだ。よろしく頼むよ、冒険者シロー。」
そう言って、ログレス冒険者ギルド長は不敵な笑みを浮かべた。………………………
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