第24話 酷暑に付き、自宅待機

 俺は今の状況を不条理だと思っている。


 あっちの方がもっと酷かっただの、こっちよりずっとマシだの、不幸自慢も比較も聞いてないので、一昨日いらしてくださいませ。


 世間がどうとか、神がどうとかも一切関係ない。俺が不条理と感じている。これ重要。試験に出るかも。超俺理論ですが何か?


 この果てない砂漠の上で、その不条理に対して色々と文句を叫んでいたら、思い切り砂が口に入ってきやがった……。


 拳○郎だって『北○の文句は俺に言え!』って、言ってたぞ!テメーに言ってんだらかな、よく聞けやボケ!俺をここに呼んだヤツ!!


「洞窟の次は砂漠かよ?!ホント、マジクソだわ!俺のこの普段着で彷徨さまよえと?!もうマジでクタバレ!!!」


 それに何より、ここにはアイツ等の気配がする!来る!きっと来る!!絶対に来る!!!クソサンド○ーム共が!!この砂地はソレしか考えらんねぇだろ?!


 砂漠に出て来る魔物なんか、ヤツを筆頭にサソリ系、毒持ちの蛇、虫系、トカゲが直ぐ頭に浮かんで来る。せめて、毛の生えた四足歩行の哺乳類系を寄越せやボケ!


「…………ここで一句。使うなら 今すぐ使おう 不倶戴天ふぐたいてん。俺を突き落としたリーマンと俺をここに呼んだヤツに……前にも使ったけど、足んねーみてーだから再度だ。」


 まだ一歩も進んでいないのに、汗をかきまくり、叫んだせいで喉も乾いた。スマホで時間を見る。続いて太陽?の傾きを確認する。


 この場所の日没が何時かは知らんが、まだまだ、その気配は無い。この異世界は俺のヤル気スイッチをすぐオフってくるな。特定の方たちに向けた、殺る気スイッチはオンにするくせに!!


 一通り周りを見回し、そのままマジックハウスを出して魔力を注ぐ。日が落ちる迄は自宅待機だ。


 こんな激アツな屋外を歩くなんて、自殺行為にしかならない。ハウスの認識阻害効果を信じて、暫らく立て籠もりを敢行する。


「…はぁー、中は適温だなー。もう、外出たくないぞー!」


 リビングのソファに座り、ため息をついた。探索の為に歩くにしても、洞窟内での様な無理は出来ない。


 砂に足を取られるだろうし、日が完全に落ちてからは気温も下がる可能性が高い。加えて、夜目が利かない俺が夜間に彷徨うろついたら、魔物の餌食にしかならないだろう。


 しかも手持ちの食料は、蟻さんマークの甘味と水のみ。ミネラルが無い。塩分を確保したいけど、少なくとも目視出来る範囲には目ぼしい物は無かった。ホント、笑える位に砂しかなかった。


「心を落ち着けよう。…………うん。漫画読もう。日が落ちるまで、多分3〜4時間は掛かりそうだしな。良かった〜。ダウンロード済の漫画があって!」


 惜しむらくは、未完の作品が多く、気になる続きが読めないことか。アラームを設定してからソファに寝転び漫画を読み始める。


 バイトをする様になってからは、食い物と少しは娯楽に回せる様になったから持ってんだよ。好みとしては、電子書籍より実物派だったけど、部屋に置いてたら弟にパクられるわ、母親アイツに捨てられるわで、散々な目にあったんで、それ以降はずっと電子書籍オンリーだ。


 まあ、電子書籍も悪くは無いよな。試し読み出来るし、何ならセールもしてくれる。期間限定50%OFFなんてキャンペーンされたら、俺的、珠玉シリーズを手に入れるチャンスだったしな!


 …………整いました!


 既読でも 手元に置きたい 名作バイブル


 字余りでした。すんません。


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