第5話 宿敵? 嫌いなモンは嫌いだ

〔注意〕ここから士郎が嫌いなヤツが出て来る為、暫らく壊れます。いつもより、ギャーギャーするので苦手な方は飛ばして下さい。





 それからもボチボチ、ゴブリン共を倒し進んでいる。投擲用に手持ちの石を増やし、複数相手でも対処出来る様になった。


 ただ、出てくるのは延々とゴブリンのみ。ギャーギャー五月蠅えっての!しかも落とす物といったらほぼ腰蓑。


 一度だけ、親指の爪サイズの魔石が出たから調べておいた。


【ゴブリンの魔石:簡易な錬金で使用可能。売却価格は非常に安価】


 ついでに腰蓑も調べておいた。………念の為とか思った俺がバカでした。調べなきゃ良かったと激しく後悔したから。


【ゴブリンの腰蓑:ゴブリンが着用していた腰蓑。とても臭い。価値は無い。】


 でしょうね!!あの腰蓑に価値を見出すとか、よっぽど特殊な趣味をお持ちの方以外無理だろうよ!


 ゴブリンラッシュのお陰で、レベルも上がり、戦闘にも慣れた。だがこれじゃない。これじゃなーい!!


 俺が求めているのは、出口&水場!腹の足しにもならないゴブリンは、ソロソロご退場願いたい。って言うか、もう来んな!!


 言うまでもなく、洞窟を進み始めた頃に持っていた淡い期待は、とっくに失くしている。既に3時間以上ゴブリンの相手してりゃあ、ここが直ぐに出れる洞窟じゃないのはバカでもわかるさ。


 そうなれば、次は水場を探すのが一番の急務なんだが、兎に角ひたすら道が真っ直ぐで、たまに少し広めの空間に来たな〜と思えば、ゴブリン溜まりに遭遇していた。


「本当にマジクソ!この異世界転生!!それと言うのもあのクソリーマン!ヤツが俺を殺したせいで今ココよ!また死ぬ様な事になったら、マジ呪い殺す!!」


 空腹も疲れもピークに近くなり、苛つきから件のクソリーマンを思い出して、更にイライラした気分になってしまった。


 あ〜〜甘いもん食いたい。チョコとか菓子パンとか加工品が無理ならフルーツ系でもいいから食いたい。歩きながら飴(シュガーレス)を舐め進み続ける。


「……あ?また随分と広い空間だけど……何も居ねーな。」


 何も居ない……?でもイヤな臭いがする。嗅いだことのある知ってる臭いだ。それにさっき迄と違って、足元が柔い。所々、デコボコと地面が盛り上がってるし…。


 この場所を抜ける為には、直線で約15m先にある道まで進まないと行けない。


「……中央突破は止めて、壁寄りを行こう。何が出て来るか判んねえしな…。」


 先へ進んで行くと、地震程ではないが小さな振動が足元から伝わって来た。工事現場で重機でも使ってるのか?って位の一定の振動で、徐々に近くなっている…。


 前方は特に変化なし。横も変わりない。最後に後方へ目をやると、俺の歩いた跡に今まで無かった凸が出来ていた。


 試しに、その一番間近の凸に向かって、投擲をしてみる。すると、土埃を巻き上げ、振動の根源が出て来ましたよ。


「ウッ!ワアァァァァァー!!キモい!マジキモい!!フザケンナァァァ!口を閉じろぉぉぉぉ!!」


…………ワームっすね。調べんのも嫌だ。ホンットマジキモい!!電柱サイズのワームとかクソだろ!ナンでもデカくすりゃ良いとか思ってんじゃねーぞ、クソ異世界仕様め!!


 もう、そっからは投擲しまくって、ヤツが倒れるまで石を投げまくった。


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