第2話 目覚めは洞窟から

「……………あ?」


 夢?…にしてはリアルな感じで………w


「………ここどこよ…。」


 少なくとも、自分の部屋でも病院でもない。誰が見ても“洞窟”って言うだろう場所だ。


「…あ!これ、よもやよもやの異世界転生では?!」


 いきなりのステチェンに戸惑ったが、話に聞く転生物のパターンの気がしてきた。はっきりしないのは、テンプレ展開が来ていないから。


「あっれ〜?神様に会ってねーけど。魔法とかスキルとか選ぶイベントも。」


 最後の記憶にあるままの格好で、洞窟にただ転がしとくだけって酷くね?一先ず、丁度いい感じの岩があったので腰掛けた。


「ここは、最初にアレを確かめないとな!」


 少しの期待と気恥ずかしさを感じつつも、例のセリフを…………と、思っていたらフワッと目の前に表れたステータス画面。


「…………おいっ!!様式美はどうした?!一声掛けるの待てねーのかよ?!」


 この異世界は、“ステータス”と言わなくても表示する仕様のようだ。初っ端から俺の夢想を打ち砕くスタイルなのがわかった。クソが!


名前 九条 士郎

性別 男

種族 人族(新種)

レベル 1

属性 闇

状態 普通


体力 10

耐久 10

力  10

魔力 10

知力 10

瞬発力 10

運 1


特技 博覧強記はくらんきょうき1


 いやいやいや。色々突っ込み所が満載なんだが?

人族(新種)って、何を勝手にリニューアルされたの俺?【属性 闇】は、まぁ、しょうがねーか。陽キャでないのは確かだし。


 それより、この“10”の羅列!速攻殺られて、即くたばりそうなんだが?!しかも運“1”って、異世界来ても不運とか嫌なんだけど!


 極めつけの四文字熟語!俺が日本人だからって、こんなサービスいらんわ!解りにくい!!


 “博覧強記”って、確か、色々知ってて記憶力強いって意味は分かるけど、用途が不明瞭過ぎだし。しかたなく、試しに適当に特技を唱えてみる。


「“博覧強記”」


【岩:鉱物等は特に含まれていない】


「えぇ~。鑑定でよくね?!何で四文字熟語採用したんだよ!!」


 残りの魔力を念の為、確認してみると………


魔力 10→5


「はぁ?!これだけで半分も魔力使うとかクソゲーじゃん?!うわ〜〜〜これヤバい転生物の臭いがする!しかも、攻撃手段無いのに洞窟放置とか鬼畜ゲーも混じってね?!」


 ゲームならまだしも、リアルのハードモードはマジヤバい。ステータスチェックが絶望的だった為、頭が真っ白と言うか、途方に暮れた。


 マジどうしよう…。



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