第5話 初仕事
部屋で藤沢に全てを説明しきった後、一通り自己紹介を終わらし、今は藤沢に具体的な仕事内容を教えてもらうため別の部屋に移動している。
「まさか、お嬢様と面識があったとは思いませんでしたよ…。ですが、私からも言わせてください。お嬢様を救っていただきありがとうございました」
そう言って藤沢は希海に頭を下げた。
「いえ、きっとあの状況なら誰もが助けに入ったことだと思いますから、頭をあげてください。それに、お仕事の内容、知りたいです」
希海は笑いながら藤沢にそう言った。
「それもそうですね。感謝してもし足りないですが…とりあえず今は仕事内容を説明していきましょうか」
「はい、よろしくお願いします!」
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「希海さん、家事はできますか?」
「結構な期間家にいたので、一通りの家事はできるつもりです」
「料理は得意ですか?」
「一応、まぁ…そこらのシェフには敵いませんが…」
「人付き合いは…って、こうやって話せてる時点で大丈夫ですね!」
「希海さんには、一般的にはお嬢様の日常的なサポート。手が空いている時には家事などをお願いしたいと思います」
「なるほど。それで、日常的なサポートというのは…?」
「朝はお嬢様を起こしに行き、食事の際には呼びに行く。それと合わせて、健康管理などもしてあげてください。あとは、お嬢様から何かあればそれに従うって感じです」
「わかりました。付き人って解釈で大丈夫ですか?」
「ええ、そんな感じで思っていて貰えれば大丈夫です」
お嬢様の世話、一時はどうなるかと思っていたが、これならやっていけそうだ。
「では早速、お仕事ですよ」
「え?」
「これで昼食の時間になるのでお嬢様を呼びにいましょうか!」
「はい!」
これがこの職場での初仕事。希海はいつも以上に気合を入れて、美咲の部屋に向かうのだった。
「お嬢様、ご昼食の時間です」
希海はドアの前から美咲がいる部屋に向かって声を発した。
「は~い!というか、長谷川さんの声よね…?」
「はい、そうです!」
「なるほど、分かったわ。すぐに向かうわ」
「了解しました!」
これからはこんな毎日が続いていくのだろうか。今までとは違う生活スタイルに慣れることが出来るのかは不安だが、上手くやっていこうと心に違う希海だった。
ニートの俺が使用人に!? @Yuz-Ki
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