第2話新“天“地
V1、V2、V3ローテート。
あれから3ヶ月、俺はJAXOの試験に合格し、月の基地へ行くことになった。
大気圏を越えると、いつものセカイと違う景色になった。
俺達東京府民の部隊の周りには水で動くうるさい工場もなく、昔の遺産の排気ガス群もなく、ただ星の光が煌めく明るいセカイになっていた。
分速1万キロメートルのとてつもない速さで、地球にある数少ないウランを使い、地球のために命をかけ、38分の時をかけ月へ向かう。
600年ほど前人間は初めて月に行ったと言う。
でもその時にあったであろう宇宙に対する感動や衝撃は俺にはなかった。
もしかしたら月から帰れないかもしれないという不安の方が多かった。
しかしよく考えたら、700年も800年も前からの遺産が蝕むあの地球へ置いて行ったものは無いのだ。
俺はただ一身に地球のためになろうと思った。
月についた。
俺は自分の部屋へと入る。
部屋はやはり暗いが、外は星あかりで明るい。
このような景色は想像したこともない。
この星には地球の夢がつまっているのだ。
それと同じように、プレッシャーも。
翌日から“作業“に入った。
月から都与太自動車の車に乗り、人工衛星に接近し、同じ周期で1日中地球の周りを周りその周期上にある宇宙ごみを拾うのだ。
しかも宇宙ごみを拾う時が大変で、なんと宇宙ごみの周りに車付属の砂鉄をばら撒き、車のネオジム磁石で引き寄せるのだ。
その時に車の機械が故障する可能性ももちろん高く、事故死した人も出た。
ただ月には希望があった。
それは地球には期待や望みがあり、月にはそれらを叶えるような希望がある。
しかしそれを結びつける俺たちには、プレッシャーや危険があり、地球にいる人のように、何かを望むことさえ許されないのだ。
俺はその事実に今ようやく気づいた。
世界の新しい発電方法は宇宙ごみ発電であります。 ライスヒューマン @Raisuhyuman
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