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「それで、なおみちゃんは? サッカーチームつくれそう?」

 答えに困った彼は、おそらく話題を変えようとしたのだろう、質問で返してきた。

 彼は恋愛遍歴の登場人物なんて2桁にのぼるのが普通だと思っているのかもしれない。

「程遠いよ」

と、私は言っておく。

 磨かれたテーブルには天井のサーキュレーターが映っていた。

 ぬるい空気をただかき混ぜるだけのサーキュレーター。

 少し、間が空いて、彼は伏目がちにつぶやいた。

「気づいてないんだ」

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