Astral Dimension

第1話

Astral Dimension

青い月夜の幻視

遠い蜃気楼の彼方

誰もまだ見たことがない

世界を想う

夜に招かれ

月は囁く

知られざる星に

封じられた神話

たゆたう夢のように

歌い踊り戯れていた

享楽的な神々の末路

夜に導かれ

月は語る

忘れられた王国

古より継がれた伝承

繰り返す歴史の影

虚構の栄華

どこにもない楽園

夜に誘われ

月が晒す

光届かない深海の底

始原の記憶

渦巻く水の中で

生まれては消えていく

うたかたの命

白い輪郭が

冷たい炎をまとい

青くゆらめいている

月は何を思う？

不変なるもの

触れてはいけない

宇宙の叡智か

創世より定められた宿命

二重螺旋に刻まれた記憶

垣間見えた終焉と

約束された輪廻

闇の中で覚醒する

ざわめく細胞

感覚の先に次元が開く

同じ世界の同じ時代でも

違う場所で生きていた

互いに見知らぬうちに

魂は呼び合っていた

どこか欠けてた心は

何かをずっと探して

夢の中で幾度も

求めあっていた

儚く過ぎる時の中で

やっと巡り会えたね

触れた指先から

流れ込む感情が愛しい

青い月明かりに濡れて

二人だけでいよう

いつかこの世界が

終わりの静寂に沈むなら

星の時空を通りぬけて

時の果てでまた巡り会おう

薄れゆく意識は

闇に溶けてゆく

そして永遠の意味を知る