またも〇〇〇を覗かれかける二見さん


 放課後、図書委員の仕事で私は図書室にいた。あいも変わらず相方の男子はサボりなので、ひとり黙々と返却された本を棚に戻していた。

 二見さんはもう帰ってるよね、無事に帰れてればいいな、なんて考えながら手を動かしてると、図書室のドアが開き、二見さんが現れた。


 えっ!? なんでいるんですか! しかもひとりで。

 以前のように友達との待ち合わせに使うつもりなのかも。そう結論付け、私は棚の陰から彼女の様子をこっそり見守ることにする。

 二見さんは荷物を置き、近くの棚から本を取ろうとしていた。それは高いところにある本のようで腕を伸ばしても届かない。


 と、近くにあった脚立を使うようだ。軽快な足取りではしごを上っていく。

 そこまではよかったんだけど、私の目にはある輩の存在が。

 たまたま近くにいた男子が、脚立を上る二見さんに気付き、あまつさえ近づいてくるではないか。明らかにパンツを覗こうとしてる。


 このままでは屈んだ格好の男子にパンツを見られ、たまたま下を見た二見さんが驚き、羞恥のあまり足を滑らせ落っこちてしまうだろう。

 落下の衝撃で脊髄を損傷、二度と起き上がれなくなってしまい、彼女の顔から笑みが消えてしまうに決まってる。

 そんなことはさせない! 二見さんの危機は私が回避させねば!


 抜けてる二見さんは本を取るのに夢中なようで、下に潜んでいる男子に気付いてない。覗かれるのも時間の問題だ。

 そこで私は気配を消し、二見さんのいる棚の反対側に移動。男子のいる場所にちょうど落下する本を探り当て、奥から押し出してやった。

 

 「――ぐえっ」

 

 なんかカエルがつぶれたような声が聞こえたな。

 チラ見したら想定した通り、男子が伸びていた。顔に本がかぶさるというミラクルも起こっている。


 「……?」


 脚立を降りた二見さんが倒れてる男子を発見。小首をかしげている。

 だけど特に気にしなかったようで、本を持って行ってしまった。はたからみたら本を顔に被せて寝てるようにしか見えませんもんね。秋は眠たくなりますもんね。

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