Forgiveme

私を許して

スマホを見る。

あの人の登録はない。分かってる、私が消した。

だけど、残しておきたい。

メモ紙を頼りに、あの人の電話番号を打ち込む。

これじゃ、気持ち悪い奴認定一級だ。

隣では、眠そうにしている彼。

頬にキスすると、抱きしめられた。

うっすらと開いた瞳に笑いかけると、キスが落とされた。

直ぐに、肩に頭が落ちてくる。

そのまま、すうすうと寝息が聞こえてくる。

愛おしい人。大好きな人。

体の中が温かくなって、中心が疼く。

彼が居るだけで、幸せなのに。満たされない。

あの人と、少しでも繋がっていたい。

電話番号を登録すると、直ぐにアプリが反応した。

メッセージを送ったところで反応何てないことは分かっているのに、無駄に言葉を打ち込む。

案の定、既読は付かない。

ただ、拒否されている事実に。私を意識されていると喜ぶ。

私は、壊れている。

許してね。

君が居るから私は、ここに居られる。

でも、許して。

彼を思い出すことを。