エピローグ 凱旋
戦闘が終わり、悠斗はムーサへの帰路についた。
その間に、破損した部分の修復を行った。
ムーサを映すフロートウインドウでは、まだアメノウズメが大勢の観客の前でステージパフォーマンスを繰り広げているので、エナジーは充分にあった。
ムーサに到着して、中に着陸させる。
「巨神が帰ってきたぞ!」
すると、観客席から一斉に歓声が上がった。
その圧力に戸惑いながらも、悠斗はコクピットを降りて昇降機に乗った。
「人が出てきたぞ!」
「巨神の担い手だ!」
口々に叫ぶ観客の声に、完全にテンパりながらもステージへと降りる。
そこへ、アメノウズメが集まってきた。
「やってね、お兄ちゃん!」
木乃実は元気一杯の笑顔で、素直に喜んだ。
「途中、どうなる事かとヒヤヒヤしたよ」
希美は、腕を組みながら片目で悠斗を見た。
「おめでとうございます」
聡子は、まるで自分の事のように嬉しそうだった。
「……」
葵は、笑みを浮かべて無言で頷く。
「よく頑張ったわね」
夕梨花は、笑顔で労いの言葉を掛けた。
「ユリさんの思い付きのおかげです」
悠斗は高揚しながら感謝の言葉を口にする。
「あと、アメノウズメのステージパフォーマンスのおかげです」
そして、付け加える。
すると、夕梨花は観客席を指さした。
「お礼なら、ステージを盛り上げてくれたみんなに言って」
夕梨花からヘッドセットマイクを借りた悠斗は、頭を下げた。
「みなさん、ありがとうございました!」
その声に、観客達がわぁーっ、と沸いた。
アイドルの異世界召喚に巻き込まれた俺は、巨神の担い手となって戦場を無双する 碗古田わん @its_a_dog_vow
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