【スシロー事件】から見る、生産者から消費者へ移る衛生観念の疑惑

エテルナ(旧おむすびころりん丸)

【スシロー事件】から見る、生産者から消費者へ移る衛生観念の疑惑

昨今の迷惑行為について、現状は特に回転ずしに焦点が当てられていますが、いずれは業界・業態に留まらず、あらゆる分野で消費者の行動が問題視されるのではと感じます。


・唾をつけた指で本のページをめくる

・汗をかいた状態で衣料品を試着する


これらは日常的に行われているのが現状です。

今はSNSで取り上げられるほどの問題には発展しておりませんが、今後これらを過剰に悪質化した行為が投稿された場合、もともと存在していた上記の問題が浮き彫りにされます。


「前からあったことだしさ、そこまで取り締まるのはおかしいよ」

「汚い、不衛生。やめて欲しい」


おおまかに二つの意見が出るとは思いますが、私は後者に偏るだろうと予想します。

そこには手で握ったおにぎりの衰退があります。

芸能人の有吉さんの言葉を借りると——


「誰が握ったか分からないおにぎりなんて食べたくない」


とのことです。

昔は当たり前だった手作りおにぎり。今ではコンビニなど、パッケージされたおにぎりが当たり前の存在です。

ベネッセの小学生に対するアンケートによると


・母親の握ったおにぎりは食べられる 85.6%

・友人・知人の握ったおにぎりは食べられる 45.8%


母親ですら100%ではなく、友人・知人となると半数近くまで激減します。

他人の作ったおにぎりとなれば、もはや論外でしょう。


千と千尋の神隠し、ハクの握ったおにぎりは、今の小学生の半分は受け取り拒否するということです 笑


元々は企業としての生産の効率化が第一だったのでしょうが、副作用として生産者の衛生面にも焦点が当たるようになりました。


そして昨今の迷惑行為。動画配信が主流になり、以前からあったであろう悪戯が、目に見えて分かるようになってしまったこの時代。生産者のみならず、消費者側にも衛生観念が求められ――


【誰が触ったか分からない商品なんて買いたくない】


このモラルが生まれつつあると思います。この店は清潔だろうか? という疑問から――


【この店の利用者は清潔だろうか?】


という疑問が、おにぎりの件の時のように浮き彫りになり、そして生産者のみならず消費者を疑うことが広まっていくのではないのかと。

このことが指し示す経済の流れは——


【より一層のデリバリーやECの普及】


消費者に触れられない形での商品の流通は更に加速するでしょう。そして実店舗の在り方として今現在、増えつつある――


【サンプルのみを店舗に置き、買ったものは家に届くスタイル】


これは在庫を抱える必要がなく、人件費もかさまないという経営者側な見方が強いものでした。しかし今後は客に触れられていないという側面で——


【消費者側の衛生面の見方】


これが強くなるだろうと予想します。サンプルを置く店舗形態の宣伝文句として——


①持ち帰る手間がない

②ECと違いサンプルを実際に手に取って見れる

③スタッフの接客を受けられる


これらに加えて、清潔な商品が手に入るという四番目のメリットを押し出すことが、今の時代の流れから見る実店舗の信頼性を高める上で重要なポイントになると思います。

そして、四番目のメリットを押し出すことで、より一層社会の中に不特定多数の人間が触れる嫌悪感が浸透し、加速していくことになるでしょう。


回転ずし業界は大変そうだなぁと、遠い目で見ている企業さん。

明日は我が身と、身を引き締めておかねばなりません。


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