北風のエデン

太宰書生

第1話 - 開園 -

時の始まりは至って平凡であった。

生きる以上は働かなければ行けない。

それが成り行き、また世界の掟。

だがそれを良しとしては、人としてつまらないだろう。

故に私は無知で無欲を生業とする生を謳歌することにした。

端的に言えば、望まず、また恵まず、そして求めない。

そうした悟りを開くのだ。

仏教的ではあるが、私の人生に神が加担してるとは、ほとほと思えない。

神様もきっと自分の生活を生きてるだろう。


私は、職を捨て、まずは家にいた。

お金は生活保護を申請したため、困っていず。

ただあっけらかんとした時間が広がっていた。

そして不思議なことに、一人でいると、無償に気分がいい。

きっと、しがらみを無くしたことが、大きく関係してるのだろう。

月給泥棒と言われれば、泣く泣く、受け入れるが。

その分、贅沢を出来ないのだから、良しとしてほしい。

そうして手取り8万1000円の生活が始まった。


ただ暇だった。

心情が無欲を貫く分

趣味に明け暮れたりはしなかった。

もちろんアルコールもなしだ。

私は無知で無欲に生きる。

これだけの事を成すために、考えて生きてるつもりだが。

これではまるで、老後のちんたらした生活である。

私はそこで、ルールを改定した。

まず趣味を作る。

これは一見して、無欲に反しているが、そこは、そこで多めに見てほしい。

世間から見ればフリーター

お金持ちではなく、時間持ち、

ハハ、そうつまりは、時間を持て余すのが、欲であるのだ。

故に代品として、趣味をするということだ。

これなら無欲には反していないだろう。

なんて自堕落な宣言だが、そこはそこで、ご愛嬌だろうか。


そこでまずは、今まで簡素な食事を食べてきた。

だからグルメと、まではいかないが。

それなりに価値のある、プチ贅沢をすることにした。

もちろんこれも、無欲に反してはいない。

なぜなら、贅沢とは体に悪いからだ。

ケーキやチョコは、体に悪い。

その分、無欲であることになるのだ。

少し話がこんがらがっているが、しかしそこは良しとしてほしい。


さて何を食べようか、アイスか、キャンディーか、それとも缶コーヒーか。

悩む、

私は気づいてしまった。

悩むことは贅沢であると。

故に、ルールを決めた。

選ぶのではなく、お任せをするというものだ。


私は早速店に出向いた。

そこでアイスクリーム屋を発見。

そして、こう言ってのけた。

 おすすめをお願いします。

そうである、つまりは、店員に選んでもらうのだ。

これなら無欲に合致する。

風を吸う時、濃度を選べないように、商品もまた、北風に任せるのだ。

素晴らしいではないか、我ながら、恐ろしい解決策である。

そしてついにアイスが来た。

味はバニラ、至ってシンプルだが、それを食べ終わっても、美味しいなどとは言わない。

なぜなら、無欲であるから、感想とは、余計なものなのだ。

ただ食べ、ただ腹を満たす。

これが無知で無欲のポリシーである。


さて明日は何をしようか。

おっといけない、明日を望むのも欲である。

故に今だけを見つめるほかない。

過去を見れば、思い出が浮かんでしまう。

未来を見ても、いけない。


私はまた悩んでしまった。


恐ろしいのである。

故に私はもう、自由に生きることにした。

それこそ無欲だと思うのだ。

なぜなら、挑むとは欲を満たすための過程であり。

挑んでる間は、欲求は満たされないのだ。

故に私は思う存分楽しもうと決めた。


自堕落な生活なのはよくよく招致である。

しかし、勤勉に生きるなど邪道、

一度の人生だ、タイトルも何もいらない。

ただ爆走すればいい。

それが独りよがりの独走でも、

最後につまらなかったと言えるだけ、幸せかもしれない。

よって私は今日より、わずかなお金とわずかな知性で、この人生を面白くする。

さてさてこれより、どんな世界が待ち受けるか、

わかったもんじゃない。

だけど自分の信じた道を行けば、

自分の笑える未来に行ければ、

それでいい。

多くは望まない、論理も銃所建ても必要ない。

いるのはただ一つ。

この世界を生きる、心臓があること。


よしこれより巻き起こるは

奇々怪々なロンリーストーリー

皆さんもっと寄って聞いて、翻弄されてしまいましょう。

まずは時間を次に人生をいただきます。


そんな自分語り、これより開園です。

目に毒、心にも毒、それを制していけるものだけ、先へお進みあれ。

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北風のエデン 太宰書生 @DazaiSyosei

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