まるで近代文学を読んでいる感覚

罰欲センサーという存在とその効力、ハイイロさんの存在以外はファンタジー感はなく現実世界の青春時代を生きる若者の描写が見事な物語になっています。

ネタバレのないように説明するのは難しいですが、ある事件をおかしてしまった主人公の心理描写はまことにリアルです。
自分もそう考えるかもしれないなと共感するひとも多いと思います。
そういう意味では感情移入がしやすくて物語に入り込みやすいお話です。

ただ唯一のファンタジー要素である罰欲センサーがあまりに特異な能力なので、今後の展開が読めるような浅い設定ではありません。
現実感と物語感が絶妙な作品です。

ファンタジーが好きな方も文芸作品が好きな方にもオススメできる作品です。