第13話

でも一美ちゃんにはできないな。

健斗にはできるけど。

生理的にイヤなんじゃない。

ただ、一美ちゃんは、人間が穢してはならない天使だと思うことにする。

一美ちゃんは無精髭を生やしても美しいし、食事を取ったばかりの後、シツレイ!と早口で言ってから連続でゲップをしたりする。


べつにいいのに。

これから健斗と結婚したら、わたしもっとお下品になると思う。

一美ちゃんは育ちがいいわけじゃないけれど、誰かと住む、ということを大切にしているようだった。


一美ちゃんの退院が、6月。

わたしの退院が3ヶ月後、9月。プロポーズ受諾済み。

再会も9月。

2人でアパートに暮らし始めたのが11月。

一美ちゃんのこれからくる誕生日が1月。

健斗は少しだけ、ヤキモキして、しかし、何度目か分からぬ了承を繰り返しながら。


いつ結婚式あげる?てかもう予約した。


わたしの手には健斗と買いに行った婚約指輪。私達はもう入籍済みだ。わたしの苗字も太田です、はい。


……。


おかしな状況なのはわかってる。

それに一美ちゃんにもある変化があった。

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