第11話
一美ちゃんは努力した。というか、実はわたしの婚約者にもかるくシゴかれた。彼氏である太田は、萎えてるのかな、え、いや、当然服の上から刺激しただけだけどさ。
と、わたしが小笹に組み敷かれないか心配で不能を確かめていた。同居先の1Rのトイレで狭苦しく。なにやってるんだ、とは思わなかった。
いまからエロいもの見せるけど反応するかどうか見ていい?太田がいう。もうやめたげて。
一美ちゃんが本当に不能なのかは分からない。ただ話には聞いていた。風俗に行くまでもない。AVに反応しない。朝勃ちがない。手でしても触られている感覚があるだけで、カンじてない。中学生から続いていた性的興奮、快感は。病気で妄想と幻覚に悩まされるまでの間に。
ストレスか、薬の副作用か、はたまた別の何かで。
一美ちゃんからは失われてしまった。
失われた性的興奮。
感じている喘ぎ声も、演技も女の人みたいにしなくてもいい。腰の動きだって肉棒で擦ったりする、すまた。もしくはただ真っ直ぐに奥を突きまくってもいいし、入り口のひだで鬼頭を刺激。相手もよがらせながらぐちょぐちょと膣内を一気に掻き回す前の前戯の一つとしてそいつを使ってもいい。指もあれば一美ちゃんには舌も吸い込むなどもある。エッチなことはできる。そう。
勃ちさえすれば。
バイアグラも試したらしい。初めて買って、一錠飲んで効かなくて残りはしまってある。
わたしは彼氏であり、婚約者であり、太田を複雑な気持ちで愛し始めてきた。それはなぜか一美ちゃんの不能のおかげだ。
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