第8話

一つ先に言っておく。一美ちゃんは男だ。それでもわたしはほんのわずかでも一美ちゃんと一緒にいたい。幸いにも一美ちゃんは薬の副作用で徐々に太ってはいるがいまの体重は50キロ。生きているのが不思議だ。

あの月、一美ちゃんが退院した月と同じ月には、わたしは退院できなかった。

だけど無事退院し、9月ごろ、なんと病院の待合室でわたしと一美ちゃんは再開する。


一美ちゃんはわたしの結婚がつつがなく、無事進んだか、それとももう入籍したかなど気遣ってくれた。


ぜんぶ一美ちゃんのおかげ。わたしは太田瞳になっていた。

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