第7話

社会復帰、になるわけじゃない。

でも、誰かの妻、奥さんになれる。

女の逃げ道ということ勿れ。

わたし、結婚する。

はやく退院しなくちゃ。

わたしは一美ちゃんみたいな任意入院じゃない。医者に、退院しても問題ない、と判断してもらわなくちゃ。


その日から何年かぶりに、わたしの思考は目の前はクリアになり。物事を考えるようになった。

でも思う。

健斗とは結婚したい。でも、

一美ちゃんとも一緒になりたい。


どうやったら、連絡が取れるだろう。


しかし、それは妙にトントン拍子で叶うことになる。不思議だ。結婚が決まった途端、健斗が好きだ。わたしは平岡瞳から、太田瞳になるか、それとも健斗が平岡健斗になるか、楽しくナースステーションの受付で古い電話を前に楽しく、ひさしぶりに本当に喜び、楽しみ、親しみ、くるくると、そう。


愛のある対話をした。

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