第5話 鉄道唱歌のオルゴールとともに
7時35分の定刻。列車は静かに、岡山駅を出発した。
ほどなく、車内に鉄道唱歌のオルゴールが流れる。
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3号車グリーン車に位置する車掌室から、年配の車掌長が案内を始める。
この列車の停車駅は、岡山発車後、順に倉敷、福山、尾道、広島。
広島到着は、9時37分。
続いて、岩国、徳山、防府、宇部、下関。
下関到着が12時30分丁度。
そのあと、小倉、博多に停車。
博多到着は13時37分。
そのあと久留米、大牟田に停車し、終点熊本。
熊本到着は、15時15分。
列車は前から1,2号車は普通車指定席、3号車はグリーン車指定席、4,5号車は普通車指定席、6号車は食堂車、7号車から9号車までが普通車指定席、10号車から12号車は普通車自由席。
乗車券の他に特急券が必要である旨アナウンスされる。
それに加えて、時間の都合で切符のない客には、後程車掌が車内に回るのでその時申し出よとの案内も加えられる。
再び鉄道唱歌のオルゴールが鳴ったと思うと、ほどなく、日本食堂の女性乗組員からのアナウンス。食堂車の用意が整ったので、どうぞとのこと。
案内が一通り終わって間もなく、列車は倉敷到着。
ここから乗ってくる客は、あまりいない。
もっとも、降りる客は全くと言っていいほどいない。ほどなく発車。
倉敷出発後、水島臨海鉄道の線路を海側にしばらく見て、球場の近くでお別れ。
市街地から少しずつ遠ざかり、やがて列車は西阿知を通過し、さらに、高梁川の鉄橋を渡る。このあたりになると、辺り一面に田園が広がる。
通路とその横の座席を挟んだ窓の向こう側には、来年開業予定の新幹線の高架が出来上がっていて、さらに工事が進んでいる。
まもなく列車は、玉島を通過。ここに、新幹線の新駅ができる。
何でも、夜行新幹線の計画もあって、山陽区間の三原までは幾分多めに駅を作ることになっているのだという。西明石や相生、それにこの玉島といった駅は、そのための「退避要員」的に新幹線が立ち寄ることになる。
もっとも現時点での玉島駅周辺は、駅前の一部を除き、一面の田園地帯である。
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