第324話 ココンのまとめ

   ▽第三百二十四話 ココンのまとめ


 その後も私たちは闇狐賊の里で数日を滞在しました。

 わりとたくさんのイベントが発生しました。大食い大会に参加してみたところ、大量の毒を盛られてしまったりもしました。


 スキルやアーツの使用が禁止されている大会でしたが、アトリの今の衣服には毒を無効化するスキルがあります。

 試合が終わってから一応【キュア】も使いましたしね。


 その後、毒を盛ってきた運営を殺戮して金銭をゲット。

 かなりの規模のマフィアだったようですが潰しきりました。後始末はジョッジーノから派遣されている下っ端にお任せしました。どうやらこの街の「裏」にジョッジーノが入り込んだようです。



 また、別のイベントもありました。

 この闇狐賊を取り仕切る首魁と戦闘したのです。


 それは第四フィールドで「公には認められていない最上の領域」の一画、《絶望劇場》死人形遣いのグランギニョルとの戦いでした。

 他の最上で言えばゴースに似た戦闘スタイルです。

 ゴースは「正体不明の攻撃」をしてきますが、グランギニョルは「えげつない」攻撃しかしてきませんでした。

 かなりの強敵でした。

 アトリも敗北寸前まで追い込まれましたが、どうにか勝ちました。


 面白い敵でしたね。 

 あと終わってみれば良い人でした。これからも仲良くしていきましょう。



 その他のイベントにも巻き込まれました。

 如何にも「主人公」と言う風体の男性と遭遇しました。彼は「ライ・クロー」と名乗り、なにやら「両目に深いひっかき傷のある、盲目の剣士を知らないか?」と問うて来ました。


 何かのイベントなのでしょう。


 その条件に合う人物といえば、掲示板で名の上がり始めた「ゼノン」でしょう。

 最上の領域《自在剣仙》のゼノン。盲目ながらも卓越した剣術を使い、十の刃を同時に操る剣士とのこと。

 あと「かつて親友を悪魔から救うために手にかけたことを後悔している」という余計な情報が付随してありました。

 どうして無意味な情報が付け足されているのかは不明ですけれど。


 私たちは「たぶん、その人は最上の領域の一人、ゼノンですよ」と教えてあげました。彼はなにやら覚悟を決めた顔で「やはり、か」なんて呟いていましたね。

 ライ・クローたちのシナリオが進むならば幸いです。


 なんてココンでの日々はすぐに過ぎ去りました。

 ある日のこと。

 私はフレンドの一人であるレレレさんよりフレンドチャットをもらいました。曰く、


レレレ‥ジークハルトたちがアリスディーネを本格的にやるみたいだけど。ネロは行かないの?


 とのこと。

 どうやら私たちの虚無期間も終了する時が来たようですね。いよいよ最後の四天王、フィールドボス――《深淵美姫のアリスディーネ》との戦い、その予感がしてまいりました。


 アトリが大鎌をゆっくりと天へ掲げました。



――――――

 作者からの捕捉

 この回はふざけています。わらしべイベントとか釣りよりそっち書けよ、というおふざけですね。でも、じつは重要なのでお許しくださいまし。 

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