113 取れるものは取っておこう

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名前:シヴァ(アル)

年齢:24歳

状態:変幻自在魔法持続中

職業:冒険者(Fランク/Cランク)、ダンジョンマスター(キエン)

Level:94

HP:7340/7340

MP:385600/385600

攻撃力:SS

防御力:A

魔法防御力:A

素早さ:A

器用さ:S

知力:SS

幸運:B

スキル:多言語理解、物理・魔法・状態異常全耐性、魔力自動回復、浮遊魔力利用、剣術、錬金術、鑑定、体術、魔力操作

魔法:生活魔法、空間魔法(収納、転移、次元斬)、属性魔法(火・水・風・土・雷・氷)、身体強化、結界魔法、付与魔法、探知魔法、重力魔法、回復魔法、飛行魔法、影魔法(影転移、影拘束)、ボイスチェンジャー、変幻自在、隠蔽魔法、チェンジ

称号:転移者、時には虐殺もする快適生活の追求者、アリョーシャダンジョンソロ攻略者(2回)、ロンリーバイカー、パラゴダンジョンソロ攻略者(2回)、知的探究者、ディメンションハウスの所有者、キエンダンジョンソロ攻略者、キエンダンジョンマスター、フェンリルの友

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 ダンジョン攻略後にステータスボードを表示してみると、こんなことになっていた!

 名前が【シヴァ(アル)】に年齢も【24歳】に!

 【変幻自在魔法持続中】と出てしまっているので、シヴァより鑑定レベルが上なら化けてるのがバレる、ということだ。


 他のステータスはアルに引き続き、な感じだが、ちょっと驚いた。


 【フェンリルの友・神獣と交友を温めた者、幸運+15】


 こんな称号も付いていた。加護とはまた違うようだが、幸運が上がるのは素直に嬉しい。今度、イディオスにお礼を言っておこう。

 ちなみに、【ダンジョン探索履歴】は見れたのだが、長過ぎて見難い。コアに本にしてもらう方が一番見易いので、また更新した分を頼んでおこう。ああ、便利過ぎてコア依存になってしまう。

 …が、別に問題ないような気もする。



 レア中のレアアイテムに固まっていた二人だが、トーリの方が我に返るのが早かった。


「鑑定出来ないアイテムに久々に遭遇したが、かなりレアなアイテムなのは分かる」


 中々鑑定出来ないので、じーっと見ていたのか。

 トーリが鑑定スキルを持っていることもあって一緒に来たらしい。


「ああ。これはとんでもないもんだな。おれは鑑定スキルは持ってないが、奪い合いで戦争が起こるようなとんでもなさだろう。…シヴァ、さっさとしまえ。見なかった。おれたちは何もみなかったから!」


 逃避したらしい。

 シヴァは空間収納の方にしまっておいた。


「この二つの魔石は鑑定したのか?」


「鑑定した。間違いなくヒュドラとキマイラの魔石だ。売らないのならしまってくれ」


 売れとは言わないらしい。

 では、とシヴァは魔石も空間収納にしまった。


「一つ訊きたい。何故、貴殿はキエンの街のギルドに攻略報告をしなかった?」


「キエンの冒険者ギルドのギルドマスターがバカでアホなのは聞いてないか?」


「…模擬戦だったのに勝手にやめて、多数決で貴殿のランク昇格を決めようとしたことか。そんなバカなギルマスがどこにいるのかと、何度も確認したんだが、残念なことに事実のようだ。貴殿がキエンギルドに報告すれば、そんなギルマスの功績になってしまうのを嫌った、ということか?」


「そんな所だ。キエンのギルドマスターは、最初からおれにランク昇格させるつもりがなくて、あんなバカなことをした、とも考えられるだろ。攻略されたことがなかったキエンダンジョンを攻略しても、一日で攻略したから難癖付けられる可能性も高いと思った」


 …などと後付けで言ってみたり。


「難癖?ダンジョンが発表したボードに貴殿の名前と絵姿があるそうだが、知らないのか?」


「今知った。だが、ダンジョンが発表したボード、と何故分かる?」


「ボードがダンジョンの壁に貼り付いてるからだ。傷付けてもすぐ戻るダンジョンの壁に何か出来るのはダンジョンだけだし、時々、大きいダンジョンはこうやってボードでダンジョン攻略を発表するんだよ」


「それで?」


 シヴァはリックに視線をやった。


「こちらではそのボードは確認出来ないので、魔石やドロップ品で確認させてもらった。キエンとアリョーシャ、二つのダンジョンをソロ攻略。文句なしのSランクだ」


「Sランク?実績はまだ五件しかないんだが?」


「その五件の依頼全部、依頼主が改めてお礼と追加報酬の話をしに来てたぞ」


「別にいらん」


「貰えるものは貰っとけ」


「では、プライベートを執拗に探った気持ち悪さにより精神的ダメージを受けた。慰謝料を請求する」


 取れるものは取っておこう、だ。

 稼いでるクセに苦虫を潰したような顔をするリック。


「いくら請求するつもりだ?」


「そこの食堂で飲み放題食べ放題の宴会が出来るぐらい」


 慰謝料はぱーっと使ってしまうに限る。


「ギルドを上げてランクアップ祝いか。…気前のいい話ですね、ギルマス」


 トーリも後押しした。


「トーリ、お前も半分出せよ!聞き取り調査したのはお前もだろ!」


「情報量からの換算なら四分の一で」


「その辺は二人で話し合え。食堂にはおれが言う。ギルドカードはいつ更新する?」


「そう時間はかからない。受付に今のギルドカードを持って行ってくれ」


 返されたギルドカードを受け取ったシヴァは、応接室を後にし、受付へFランクギルドカードを渡した。


「シヴァ様、更新ですね?」


「ああ、頼む」


 ギルドカードを作るのは、登録した時と同じ魔道具だった。

 ただし、素材は違う。青っぽい銀。ミスリル合金か。

 Sランクになると、ギルドカードからして金がかかった物になるらしい。

 出来上がると、四角い石板のようなボードの上にギルドカードを置き、その上に手を載せて魔力登録して完了。


「Sランクに昇格、おめでとうございます!」


 受付嬢がシヴァに新しいギルドカードを渡してから拍手すると、周囲の人たちも拍手した。


「どうも」


 新しいギルドカードは【チェンジ】でマジックバッグにしまった。



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新作*「快適生活の追求者【番外編】04 「雪山なら勝てる」と妻は言った」

https://kakuyomu.jp/works/16817330656939142104/episodes/16817330657264699299


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