第2話

 凄惨な事件から15年後の2014年2月、紫水荘はキムタクに似た嵐山らんざんの別荘となっていた。

 菜奈、竜崎、桜、李、羅院、宇喜多、朝倉、鴫野千代子の8人が集められた。


 🔖朝倉 毒蛇の駒『病気を発生させる』

 毒蛇は、将棋の駒の一つ。本将棋にはなく、大大将棋、泰将棋、大局将棋に存在する。

 和歌山での殺人ゲームは中断されていた。

 食堂で8人は夕食を取りながら、嵐山の説明を聞いた。サケを使った郷土料理、「はらこ飯」。 これは、伊達政宗公が荒浜の運河工事を視察した折に、領民から献上されたことでも有名だ。 「はらこ」とはこの地方でいくらを指す言葉で、サケの腹にいる子「腹子」からそう呼ばれるようになったという。

「2月末までにより多くの前科者たちを殺してください。松島以外での殺人は認めません」

 

 嵐山はホワイトボードに黒いマジックで書いた。

 ハッカー 5ポイント

 詐欺犯 10ポイント

 暴力犯 15ポイント

 強盗犯 20ポイント

 放火犯 25ポイント

 殺人犯 30ポイント


「こんなの警察関係者じゃない俺には不利じゃねーか」と、羅院。彼は向井理に似ている。

「そこのところはご安心を……」

 嵐山は小さいサイズのアルバムを各々に渡した。

 菜奈はアルバムを開いた。標的は8人。

 

 辺見えみりに似ている木崎栗子 詐欺犯

 細川茂樹に似ている剣崎恒星 殺人犯

 真木蔵人に似ている澤山翔之介 放火犯、フロント係

 満島真之介に似ている諏訪星矢 ハッカー

 六平直政に似ている蘇我丹蔵 暴力犯 スナイダー

 米良美一に似ている近松鶴丸 詐欺犯 通りすがりの者

 最上もがに似ている勅使河原敏子 強盗犯

 遊井亮子に似ている沼田音音 ハッカー


「武器はどうやって手に入れるんだ?」と、柳葉敏郎に似た李が尋ねた。彼は伊豆の国署の署長だ。

「前回は和歌山エリア内に隠しましたが、今回はこの宿のどこかに隠してあります。武器は全部で8つ」と、嵐山。

 深浦加奈子に似た鴫野千代子は、うまくいけば8つ手に入れるかも知れないと野望を抱いた。彼女は伊豆の国署の刑事だ。

 

 前回のゲームでは千代子が1点、菜奈が4点、宇喜多が4点だった。今回は前回の続きからだ。

 菜奈は旅館内を散策することにした。

 今回もハンマーをリュックに入れてきたが、旅館に入る前にガードマンに没収された。


 菜奈は温泉の歴史について詳しかった。

 湯治の文化などにより温泉地には古くから宿は多く存在した。しかしながら江戸時代までは、一軒宿を除いては宿独自に内湯は持たずに外湯である共同浴場へ通う形が大半で、あくまでも温浴施設の周辺にある宿であった。明治時代には人力のみで500m以上の掘削が可能である「上総掘り」による源泉の掘削「湯突き」が盛んになると温泉給湯インフラの整備などが整い、元々は外湯に通う形態であった鉄輪温泉、別府温泉などの湯治場では内湯を持つ宿が増加して大きな温泉街を形成するようになった。


 しかし、別府、箱根、草津など湯量豊富な一部温泉地を除き、全国の温泉地の宿が内湯浴場を持つに至るのは、高度成長期の昭和40年代以降である。しかも、多くの宿の内湯大浴場では温泉ではなく白湯(井戸水または水道水)を利用し、温泉(地の)宿の内湯大浴場の大半が事実上の温泉利用となったのは、比較的最近といえる。また平成の現代でも、俵山温泉(山口県)や足温泉(岡山県)など、温泉は外湯で入浴するスタイルを固持し、宿の大半が温泉浴場をもたない「元来の湯治場然とした温泉地」が今なお存在する。


 今日では、観光目的の旅行において、宿に温泉があることが求められる場合が多い。そのため、既存の観光地でも宿泊客に温泉を提供するために源泉を開発するケースが増えている。つまり、従来温泉が存在しなかった地域においても、ボーリング技術によって地下1000m以上掘削して源泉を開発し、新しい温泉地が数多く誕生している。そのため単なる観光旅館、あるいは料亭旅館、釣り宿などから「変身」した温泉宿も多い。


 菜奈は宴会場、食事処、土産店、カラオケルームなどを調べたが武器は見つからなかった。

 温泉に浸かって考えることにした。

 一般的に海岸地区の温泉の泉質は、海水と成分が近い塩化物泉が多い。しかし松島温泉は、最初に仙台急行によって開発された源泉「松島温泉1号泉」が無色透明の単純温泉であったため、浸透した天水が地下1500mにある古生代地層の地熱により温められた温泉と考えられた。このため、松島観光協会は「太古天泉 松島温泉」として売り出した。

 他方、2番目に一の坊により開発された源泉「太古天泉の湯」は、茶褐色の塩化物泉であり、3番目にマルエイグループにより開発された源泉「松島壮観の湯」は透明な塩化物泉であった。

 温泉を出て、206号室にやってきた。空き部屋だ。メロリンキューを使って開けた。かくし梯子を使って上がるようになっており、梯子を引き上げると全く孤立した空間となる。追手から逃れるために使われた。中二階の天井は低いところで1.1メートル、高いところで1.5メートルと非常に低く作られており、敵が刀を容易に振り回せない構造になっている。反面忍者は刀身が短い忍者刀を使用して戦いを有利に導くよう作られている。

 ナタを手に入れた!


 

 朝倉は壁の戸に背中を付け、少し力を加えた。扉が回転した。「なるほど、どんでん返しになってるのか?」レミントンを手に入れた!

 


 

 


 翌朝、李は庭にやって来た。奥に進むと芝生迷路になっていた。短い草や芝の平らな部分に複雑な道を切り開いて作られた迷路である。溝を掘って区切られ、畦のような部分が道である。芝迷宮と呼ばれることもある。


 

 レミントン 2 朝倉

 イングラム 3 宇喜多

 ベレッタ 4 桜

 包丁5 羅院

 ナタ6  菜奈

 ロープ7 竜崎

 金属バット8 鴫野千代子

 手榴弾 9 李

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闇に叫べ! 20 松島殺人事件 鷹山トシキ @1982

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