闇に叫べ! 20 松島殺人事件

鷹山トシキ

第1話

 木村拓哉 嵐山

 綾瀬はるか 硴塚桜

 伊藤英明 硴塚龍臣   

 内山理名 菜奈

 寺島進 呂宋

 ケンドーコバヤシ 残間

 世良公則 竜崎

 

 柳葉敏郎 李

 向井理 羅院

 倉田てつを 宇喜多

 深浦加奈子 鴫野千代子

 手塚とおる 朝倉

 

 ✘不破万作 大田黒亀吉 紫水荘オーナー  

 辺見えみり 木崎栗子 詐欺犯

 細川茂樹 剣崎恒星 殺人犯

 真木蔵人 澤山翔之介 放火犯、フロント係

 満島真之介 諏訪星矢 ハッカー

 六平直政 蘇我丹蔵 暴力犯 スナイダー

 米良美一 近松鶴丸 詐欺犯 通りすがりの者

 最上もが 勅使河原敏子 強盗犯

 柳生博 永倉任助 殺人犯 博士

 遊井亮子 沼田音音 ハッカー

 ✘余貴美子 大田黒夫人

 ラサール石井 野上春夫 ギャングボス

 利重剛 日吉太 紫水荘宿泊客

 

 

 10人死亡

 


 老人ホーム側

 利用者側

 派遣側

 ネットウイルス、スマホを使えなくして助けを呼べなくする。


 キットスタッフ サッカー選手の身の回りのケア、メンタルケア 麻生


 15年前、1999年……コギャル文化が変質し、ヤマンバと呼ばれるファッションが出現。

 iモードのサービス開始などもあり、携帯電話・PHSの加入台数が5000万台を突破。携帯電話番号も11桁化された。

 警察の不祥事が多く報道される(警察不祥事)。

非正規雇用が増加し始めた。

 教育現場での君が代斉唱や日章旗掲揚に関する問題がきっかけで、国旗国歌法が成立した。


 1999年の流行語は「ブッチホン」(小渕恵三)、「リベンジ」(松坂大輔)、「雑草魂」(上原浩治)が新語・流行語大賞の年間大賞を受賞した。


 1999年の漢字は「末」・・・世紀末。東海村JCO臨界事故や警察不祥事など「世も末」な出来事の多発。また、翌年への「末広がり」という願いも込められている。


 日吉太は都内の商社で働くサラリーマンだ。妻からは俳優の利重剛に似ていると言われた。『金田一少年の事件簿』でルポライターのいつき陽介を演じた俳優だ。

 

 1月15日 - ハッピーマンデー制度導入に伴い成人の日がこの日にやってくるのは最後となった。

 日吉は3日、有給を取って松島に出かけることにした。

 1月13日 にリリースしたばかりの 『光の射す方へ』(Mr.Children)を昨日、CD屋で買った。

 

 松島の最大の魅力は大自然が生み出す景色の壮大さだ。 「四大観」と呼ばれる絶景ポイントが4つあり、それぞれ「壮観」「麗観」「偉観」「幽観」と言われる。


 朝早く東京駅から新幹線に乗り、仙台駅で降りた。🚄

 JR仙台駅からJR仙石線に乗り、松島海岸駅で下車。 所要時間は30分。 なお松島の最寄り駅はJR仙石線の松島海岸駅だ。 JR東北本線の松島駅からでも行くことができるが、この場合は駅から1kmほど歩くこととなる。


 松島海岸駅のホームにあるベンチに座り、旅行雑誌を読んだ。駅周辺には松島、瑞巌寺、五大堂、みちのく伊達政宗歴史館、西行戻しの松、定期観光船発着場などがある。

 駅から歩いて10分ほどのところにあるさかな市場で、ビールを飲みながらうにいくら丼を食べた。毎日、上司から怒鳴られる日々だ。たまにはリラックスしないと心が萎んでしまう。

 すぐ近くの席に細川茂樹に似た男性がいた。遊井亮子に似た女性と一緒にいる。夫婦だろうか?

 細川は2005年の『仮面ライダー響鬼』で、役者本人・役柄ともに現役最年長(33歳 / 31歳)主役を演じる。既にキャリアのある細川が若手俳優の登竜門である特撮ヒーロー番組の主役を演じることは、当時話題となった。そのオファーについて、電話で「ライダー来てるんですけどどうしたらいいでしょう」と相談された浜田雅功は大笑いし、「面白そうだからやってみろ」と後押ししたという。

 日吉は仮面ライダーの大ファンだ。日吉的にはライダーXが好きだ。

 遊井亮子は『白線流し』や『金田一少年の事件簿』に出ていた。『異人館村殺人事件』はショッキングなシーンがたくさん盛り込まれていた。遊井亮子は時田若葉を演じており、ウェディング姿で首を切り取られて殺された。

「あんたのせいで人生めちゃくちゃだよ!」

 女は怒鳴っていた。修羅場のようだ。

 食事を終えて五大堂にやって来た。

 

 日本三景の1つである景勝地・松島の景観上重要な建物であり、本州海岸に近い小島に建つ。伝承によれば大同2年(807年)、坂上田村麻呂が奥州遠征の際に、毘沙門堂を建立したのが始まりとされる。


 その後、円仁(慈覚大師)が延福寺(瑞巌寺の前身)を創建した際に仏堂を建立し、大聖不動明王を中央に東方降三世明王、西方大威徳明王、南方軍荼利明王、北方金剛夜叉明王の五大明王像を安置したことにより、五大堂と呼ばれるようになった。


 現在の堂は、慶長9年(1604年)、伊達政宗が瑞巌寺の再興に先立って再建した。東北地方最古の桃山建築と言われており、現在、国の重要文化財に指定されている。


 瑞巌寺は拝観料が必要であるが、五大堂は拝観料が無料である。

 

 本州と五大堂のある島とは橋で繋がっている。本尊の五大明王像は33年に1回開扉の秘仏で、21世紀に入ってからでは2006年(平成18年)8月18日~20日の3日間、「三聖堂、五太堂、日吉山王神社 三十三年御開帳」が開催された(堂の名は通常は「五大堂」と表記するが、前回の御開帳のときも「五太堂」という表記であった。五大堂の正面に掲げられている額に「五太堂」とあるが、筆の遊びで「大」が「太」になったといわれている)。

 

 その後、みちのく伊達政宗歴史館にやって来た。

 初代仙台藩主である伊達政宗の生涯を、200余体の等身大蝋人形を用いて、25の場面で再現・紹介しているのが特徴の歴史博物館である。また、1945年(昭和20年)の仙台空襲により焼失した瑞鳳殿の再建にあたる発掘調査で発掘された遺骨を基に復元された政宗の顔と、コンピューターによって再現された声を体感することができる。


 伊達政宗の他には、東北地方の偉人である太宰治、棟方志功、宮沢賢治、野口英世などの蝋人形が展示されている。伊達政宗の甲冑「黒漆五枚胴具足」の着付体験やこけしの絵付けといった体験も別料金で行っている。


 2011年3月11日に発生した東日本大震災で、建物に被害はなかったが、館内外ともに泥水が浸水し、入り口近くの「みちのくの偉人達」コーナーの人形が甚大な被害を受けた。

 昔、大河ドラマで渡辺謙が伊達政宗を演じた。

  

 歴史館を出てしばらく歩くと、紫水荘に辿り着いた。今晩泊まる宿だ。

「ようこそいらっしゃいました」

 オーナーは『金田一少年の事件簿』の『タロット山荘殺人事件』で2番目に殺される赤間社長を演じた不破万作に似ていた。

 当宿は全室露天風呂付き客室だ。

 日吉の部屋は3階の307だ。

 客室の座卓には茶筒に入った茶葉や急須、湯呑茶碗が茶櫃に収納され、湯の入った電気ポットが用意され、利用者が茶を入れて飲むことができるようになっていた。


 夕食は1階の食堂で取った。牛タンがメチャクチャ美味かった。

 部屋に戻ってきて唖然とした。財布が消えていたのだ。

 日吉は真木蔵人に似たフロント係に半泣きになりながら相談した。

 日吉は警察に連絡してくれた。寺尾聰に似た刑事が陣頭指揮を取ったが、財布も犯人も見つからなかった。

 

 剣崎恒星は『紫水荘』が経営難から競売にかけられるという噂を耳にする。自身で旅館を経営したいと考えていた剣崎は経営者の大田黒亀吉の元へ赴くが、大田黒に断られる。しかし、18日に大田黒が剣崎の元を訪れ、現在の妻と離婚するための手切れ金300万円を出せば自身の妻にして旅館の共同経営者にするという条件を出す。

 大田黒はスナップ写真を剣崎に見せた。

「余貴美子に似てるな」

 剣崎は200万円に値切るが、大田黒の妻は200万円では足りないと離婚を断ったため、大田黒と剣崎は妻の殺害計画を立て、2月8日に殺し屋として雇った永倉任助に妻を殺害させる。永倉の本業は博士だ。永倉は柳生博に似ていた。柳生新陰流で知られる柳生宗厳(柳生氏)の末裔にあたる家系に誕生。

船員を目指し大学に入学したが視力が悪く断念。その後体調を崩し中退。

 その後、役者を志し、劇団俳優座の養成所へ入所。

『いちばん星』で野口雨情を演じたことで全国的に知られる。

 1981年9月28日から1993年10月1日までの12年間、『100万円クイズハンター』での司会を務め、「ハンターチャンス」の決め台詞でも有名になる。

『平成教育委員会』には解答者として出演し、『生きもの地球紀行』ではナレーションを長年担当していた。

 洋画吹き替えではジェームズ・スチュアートなどを担当。


 遺体は土間の地下に埋められ行方不明とされた。そして剣崎は過去に貯めてきた2000万円を旅館の増築にあてた。しかし、大田黒は旅館の名義を剣崎の名前にするという約束を反故にし、その上旅館には多額の借金があり競売にかけられる寸前という状況に陥っていたという事実を明らかにする。そこで剣崎は永倉に、「大田黒を殺してくれたら、50万やる」と持ち掛ける。2月15日に永倉が大田黒の首を絞め、剣崎が包丁でとどめを刺す形で殺害され、遺体は床下に埋められた。翌年2月19日に松島署は経営者夫婦の相次ぐ失踪に不審を抱き、剣崎と永倉を逮捕し、両者の取り調べを行った。永倉はすぐに自供し、剣崎は3日間粘った末に自供した。逮捕から二日後には大田黒が、その翌日には大田黒夫人の遺体がそれぞれ発見された。なお、剣崎は逮捕後の供述で永倉も殺害する予定だったと語っている。

 

 1999年3月、松島海岸駅付近でギャングの手下である諏訪星矢が、違法賭博の売上金1000万を仙台に持っていく途中に路上で強盗の現場を目撃。辺見えみりに似た女がナイフで足を刺され、大金が入った財布を盗まれた。偶然通りすがった米良美一に似た男が犯人の足にカバンを投げつけて撃退し、星矢は犯人が落とした財布を拾った。通りすがりの男が警察を呼ぼうとすると被害者の女に咎められた。聞くと女はギャングを主な顧客とする賭博場のオーナーであるらしい。財布の中身は顧客に渡すための5万であるため、約束の4時までに届けなければ流用したと疑われ殺されてしまうという。被害者の女は、財布を届ければ謝礼として10万を支払うと約束。通りすがりの男が厄介事に関わるのを嫌ったため、星矢がその役目を買って出た。財布の中身ごと自分のものにできると睨んだからだ。


 大金を乱雑にポケットに入れる星矢に、通りすがりの男は、星矢の所持金と一緒にズボンの中に入れた方が安全だとレクチャーした。星矢はタクシーに乗ると、大金が自分のものになったと高笑いする。しかし「大金」が入った袋を開けてみると中身は大量のチリ紙だった。実は、通りすがりの男と被害者の女と強盗は詐欺グループで、まんまと星矢を騙したのだ。


 通りすがりの男は近松鶴丸という名の詐欺師で、レクチャーの際に星矢の所持金だけ盗み取り、用意していた大量のチリ紙が入った袋を星矢に渡したのだ。被害者役の『木崎栗子』は近松にとって妹同然の師匠で足は刺されてなどいなかった。星矢は大量の売上金を所持していたため近松と栗子は大儲けに成功した。しかし、近松は図に乗り自らの取り分をさらに増やそうとギャンブルに投じて失敗。栗子は自らの取り分と引き換えに近松を組織から脱退させ、古い友人の元に行くよう命じた。


 落ち込む近松の前に、警察官である蘇我丹蔵(六平直政似)が現れ、前述の詐欺で大金を手にした事を問い詰めた。蘇我によるとその金は野上春夫という大物ギャングの手元に渡る予定のもので、警察が野上に事実を伝えれば近松は殺されると忠告する。星矢が野上の手下であると気づいた近松は、取り分の一部を要求してきた蘇我にパッと見では判別のつかない偽造紙幣を手渡してひとまず難を逃れた。

 

 

 

 


 

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