其ノ十二 薬包
安子様は苦しそうに陣痛に耐え、時折
「なるほどね。もう破水してしまって居るが、
産婆様がそう仰ると、
「産婆様、それはどう言うことで御座いますか? まだいきんでお子を出しては行けないのですか?」
産婆様をお連れになった痩せ型のご婦人がこうお尋ねになられました。
「馬鹿を仰るな。今いきむなど、とんでもない。今いきんだら母子共に命取りになる。もうしばらく待って見て、それでも
産婆様はこう仰って、先程開いた風呂敷包より、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます