其ノ六 産み月
それから五日後の事に御座います。安子様の
「さて、
と
「誠にお手数をお掛け致します。うちの主人は育児の事はからきしなもので、預かって頂けると本当に助かります。」
と仰って、安子様は
「頭をお上げになって下さいませ。御出産は、おなごにとって命懸けの所業。お命を落とされる
と、
安子様はその言葉に深くお頷きになられると、
「そうですね。太郎と花子を産む時も、言葉に出来ぬ程、お産はそれぞれに厳しいもので御座いました。産む時だけでなく、お産の後も……。」
安子様は、何か思い出したくもない事でもお有りなのか、目をおつむりになり、唇を一度固く引き結んでから、ようやっとお口を開かれました。
「それで、
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