其ノ九 メリケン
その時、
「あ、そうでした。今夜はなにぶん急な事が続きましたので、安子様のご主人の事をすっかり忘れておりました。今、呼んで参りましょうか?」
と
「いいや、お慶。今夜はもう夜も遅い。明日の朝にしなさい。」
「しかしまあ、寺子屋の大奥(PTA)ってやつは、一体どう言う了見で、
小さい子供ってのは片時も目を離しちゃいけねえ生き物なんだよ。この人みたいに下のお子がまだ
「
とお答えになりました。
「お子達の為? それが本当にお子の為になっておるのか?
いいか、子供ってのはちょっと目を離した隙に、どんな大怪我をするか分からん生き物なんだ。だから親は子供が小さいうちは、四六時中見守ってやら無くちゃあならねえ。子供にしてみたってそうだ。何も夜中に不安で怖い思いまでさせる事は無かろう。」
そう仰って、
「それに聞いた話じゃあ、メリケンじゃ小さい子供だけを置いて親が出掛けちまったら、お
もう、そんな子供の為にならねえ大奥(PTA)なら、いっそ組織ごとやめちまえば良い。」
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