其ノ十 布団
「牧野の
その時に御座います。
「御免下さい! 御免下さい!」
と言う大声がして、安子様と
「私が、牧野花子の母に御座います! 花子は、娘は無事で御座いましょうか?」
普段は大変おっとりされて居る安子様の、この様な激しいお声を聞くのは初めてであると、
それを聞いて
「ああ、娘さん青い梅を誤食しちまった様だが、なあに心配無い。全部吐かせて胃の
「ああ……。それは。それは良かった。皆様に何とお礼を申したら良いか…。」
安子様はほっとして涙ぐみながら、張り詰めていた緊張の糸が
「ほんにまあ。
安子様が仰ると、
「ああ、あんた顔色が悪いよ。話なら大体この人から聞いたからさ。」
と、
「お母さん、先ずは落ち着いて、娘さんの側に居てやんなさい。あっちで寝てるからさ。」
安子様は
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